ルーシー・リー作品に特化したオークションがフィリップスNYで開催へ。「アジアの重要なコレクション」から出品
フィリップスは、12月11日にニューヨーク本社でシングルオーナーデザインセール「美に魅せられて:アジアの重要なコレクションによるルーシー・リーの作品」を開催する。 このオークションでは、イギリスのスタジオ陶芸家ルーシー・リーが1950年から1985年にかけて制作した70点以上の作品が出品される。出品作品は、20年にわたり収集されたアジアの重要なコレクションから来ており、彼女の30年以上にわたる創作活動を網羅している。 そのうち、リーの代表作である高台付きボウルは多く出品され、そのデザインは、古代ローマのテラコッタ器に触れた若き日々の影響を感じさせる。また、1940年代後半にエイヴベリー近くの博物館で見た青銅器時代の壺から着想を得たズグラッフィート技法を用いた作品や、1978年頃に制作された珍しいボウルで、中国陶芸の「ライスグレイン」技法を応用し、繊細な点模様が施された半透明の磁器が特徴的な作品も出品され、リーの象徴的なフォルムや釉薬、技法を体現したものが多く、彼女の創作に対する情熱を感じさせる。 フィリップス・ニューヨークのデザイン部門アソシエイトスペシャリストであるベンジャミン・グリーンは、アメリカのオークションハウスで初めて、ルーシー・リーの作品に特化したセールを開催することに大きな意味があるとし、次のように述べている。「本コレクションは、リーの卓越した技術的幅広さだけでなく、古代ローマやビザンティンから中国や日本の陶芸の伝統に至るまで、彼女に影響を与えた美的インスピレーションも示している」。 フィリップスは、昨年11月にロンドンで「ルーシー・リーとハンス・コパー、珠玉の陶磁器:ジェーン・コパーの遺産とシリル・フランケルの旧蔵品から」を開催し、予想を174パーセントも上回る売上を記録した。今回のセールの予想落札価格は、2000~3000ドル(約30万~45万円)から6万~8万ドル(約900万~1200万円)となっており、セールに先立ち12月6日~11日にはニューヨークで下見会が開催される予定だ。