「ロス五輪で金メダル目指す3人のボクシング人生を変えた」井上尚弥所属の大橋ジムと「Lemino」が岡澤セオン、原田周大のオリンピアンと“18歳の天才”片岡雷斗と異例のサポート契約
原田には、すでに大橋ジムのサポート効果が表れている。 24日にサム・グッドマン(25、豪州)との防衛戦を控える井上から「テンポ的に似ているし海外選手にない細かい技術がある」と“仮想グッドマン”としてスパーリング相手に指名された。5ラウンドを1回だけの予定だったが、原田のスピードとテンポが、格好の練習相手となり、井上は継続を要望。原田は英国でのワールドボクシング杯ファイナルに出場予定だったが、渡英の1週間前まで、合計4回、大橋ジムで5ラウンドのスパーを行った。 スパーを終えると「もっと距離を使った方がいい。せっかく距離が上手いんだから無理に打たなくていい」とのアドバイスをもらったという。 井上とのスパーを財産に出場したワールドボクシング杯ファイナルでは57キロ級で銀メダルを獲得した。 「皆さんが思っているように強くて、人間力もある方だった。ガードの上から打たれてもドスンと響くような重たくて強いパンチ力。井上尚弥さんとやらせていただいたので、ワールドボクシングでは、誰と対戦しても怖くなかった」 原田は、ライバルのモンゴルの選手にも勝ち、決勝では、下馬評で完敗すると言われていたブラジルの選手に「勝った」と実感するほどの善戦をした。 パリ五輪ではベスト8で敗退。 「この環境でやればさらに強くなる」との手応えがある。 習志野高の片岡は、卒業を前に、プロか、アマかと、迷っていたが、相談した大橋会長の「チャンスがあるんだから、まずロス五輪で金メダルを狙った方がいい」のひとことで「あと4年アマチュアでロスを目指す」という選択をした。 アジアユースの金メダリストで高校6冠。キャリアで1敗しかしていない。 片岡は、小学校時代から大橋ジムに顔を出していて、大橋会長が「これまで見てきた選手の中で井上尚弥以降なら一番のセンスの持ち主。天才だね。数センチでパンチを外せるんだよ」とまで惚れ込んだ逸材だ。 「来年、ここでしっかりと体を作れば、ロス五輪で金メダルを取る自信はあります。何かズバ抜けたものはありませんが、バランスがいいのが、長所で、一回できたことを継続的にやらず、次にいっちゃうのが、短所ですかね。私生活面での長所は元気なこと、短所はだらしなさ(笑)」 彼も世界挑戦をした桑原拓や、OPBF東洋太平洋ミニマム級王者の石井武志、日本同ユース王者の北野武郎ら大橋ジムの最軽量級のトッププロと拳を交えている。 片岡は、会見を見守った父の圭さんからマンツーマン指導を受けている。大橋ジムでは、井上一家に象徴されるように親子の指導体系をそのまま受け入れている。その方針も片岡には理想的で「憧れは井上尚弥さん。人間力もある。井上尚弥さんのように夢や希望与えられるボクサーになりたい」という。 出産時にカミナリが鳴り響いていたため「雷斗」と名付けられた片岡は、ロス五輪後には、大橋ジムからプロに転向するプランを抱いている。 大橋ジムでは、今回契約を結んだ3人には、ロンドン五輪のウエルター級代表の鈴木康弘トレーナーを統括的な立場として置き、いつでも指導、アドバイスを仰ぐことができる体制を整えている。 しかも、ジムにトップアマが来ることでプロ側にも相乗効果があるという。 大橋会長は「短いラウンドはアマが強い。お互いにいい練習になる」と期待を寄せる。3人の契約期間は11月1日から2028年8月のロス五輪終了までとなっている。
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