財界、労組の年金改革案の残念な中身 高所得者の年金カット、支給開始年齢引き上げ、3号制度廃止…
年金制度改正を議論する社会保障審議会年金部会では、適用拡大の徹底を通じて3号対象者を実質的に縮小してゆき、それでもなお育児や介護、障害などを理由に就業できない人については、3号制度をセーフティーネットとして活用してはどうかという意見が少なくない。 年金部会に委員を送り込んでいる連合は、今回の3号廃止案を提出することを予定しているようだが、同部会の委員から多くの賛同が得られるとは考えがたい。 以上、関経連と連合の年金改革案を検証してみた。厚労省はいま、2025年の通常国会に向けて年金制度改正の議論を本格化させている。だが、関西を代表する経営者団体と労働組合の全国中央組織がこの体たらくでは、この国でまっとうな年金改革論議を進めるのはどうやら難しそうだ。ため息ばかりが出るのは筆者だけだろうか。