「神の比率」を持つ幻のシャンパーニュ......。日本先行発売「アンリ・ジロー DP12」、1本140万円を超える超希少な味わいとは?
アンリ・ジローのDNAを伝える「パーペチュアルリザーブ」と、良年にしか造られない「アルゴンヌ」。
アイ村のテロワールから生まれたブドウと、妥協なき樽の管理から生まれるアンリ・ジローのシャンパーニュ。その味わいの指針になるのが、毎年新しいワインが出来るたびにワインを継ぎ足して保存してきた「パーペチュアルリザーブ」だ。 「あるタンクは1950年代から保存したワインも混ざっているものがあります。90年代から始めたものもありますが、それは『90年代のワインからの連続』ではなく『アイ村に伝わるワインのDNAを引き継いでいる、その最後尾がここにある』のだと考えているのです。2014年にはセラーの工事を行い、パーペチュアルリザーブのセメントタンクがマルヌ川に沿うよう地中に設計し、年間平均温度が10.5度を保つようにしています」 毎年全体の20%ほどを新規で追加する。ル・ゴルヴェ氏は「古いワインが新しいものを教育し、新しいものがフレッシュさを追加する」と語る。「フュ・ド・シェーヌ MV18」は、2018年に収穫されたブドウを使用したワインをベースに、パーペチュアルリザーブをアッサンブラージュ(配合)したマルチヴィンテージのシャンパーニュだ。
「パーペチュアルリザーブはこれぞアンリ・ジローという慣れ親しんだベースライン、そして新ヴィンテージがシャンパーニュにとっての『筋肉』を形作ります。ピノ・ノワールが80%、シャルドネを20%使用します。新樽は50%使用、その他は古樽で熟成させたワインです。ミントのフレッシュ、黄色いアプリコットやミラベル。そして『口の中いっぱいに広がる』ミネラル性の余韻......。口に含めば、90年から18年までの収穫の思い出が甦ります」 アイ村で育つアンリ・ジローには、非常にしっかりとした酸があり、ごく繊細な泡立ちが口中を穏やかに通り抜けていく。香りはりんごや洋梨などの果実の若々しさ、ビスケットのような大胆さまで、複雑な変化を遂げる。非常にふくよかな、丸みのある味わいが好印象で、食事との相性も抜群だろう。余韻が非常に長く続くのには驚かされた。 そして、アンリ・ジローの最上級キュヴェが、良質なブドウが収穫された時のみに造られる、樽を育む森のテロワールを結集させた「アルゴンヌ 2015」だ。これまで2002年、04年、08年、11年、12年、13年、14年の7回のみ出荷、今回の2015ヴィンテージで8回目の瓶詰めとなる。アイ村のグランクリュのブドウのみ、ピノ・ノワールを90%、シャルドネを10%の比率でアッサンブラージュ。樽の個性が活きるように全てのワインを新樽で発酵、熟成させている。