フランス版ミシュランの三ツ星シェフ、小林圭 その世界観が詰まった銀座のレストランとバー「ESPRIT C. KEI GINZA」に出かけてみた!
食欲の秋はここで幸せになりたい!
フランス版ミシュランでアジア人として初の三ツ星を獲得して以来、日本でも快進撃を続ける小林圭シェフ。今年、銀座に新たにオープンしたレストランとバーに足を運んだ。 【写真19枚】アジア人として初めてフランス版ミシュランで三つ星を獲得した小林圭シェフが銀座にオープンしたレストランとバーの写真を見る ◆コンセプトは“美食の研究所” パリを拠点として活躍する小林圭氏は、いまガストロノミー界で最も目が離せないシェフだ。パリで営む「レストラン ケイ」がミシュランの三ツ星を獲得した2020年以降は日本での活躍も目覚ましい。まず21年には日本で初のレストラン「メゾンケイ」を御殿場に開業し、今年1月はザ・リッツ・カールトン東京に「エリタージュ バイ ケイ コバヤシ」を。さらに3月には虎ノ門ヒルズで「ケイ コレクション パリ」を出店し、4月は老舗和菓子店「とらや」とのコラボレーションによるレストランとバーを虎屋銀座ビルの2フロアで同時オープンした。 その最新レストランのコンセプトは“美食の研究所”。店内に入ると、広くすっきりしたオープンキッチンとカウンター席が現れ、窓側の天井からシャンデリアのように下がるヒノキのオブジェが光を反射して華やか。料理はすべてアラカルトで、メニューには“小林シェフが食べたいと思う料理”が、フランス料理を中心としながらもジャンルに囚われずに並んでいる。たとえば前菜は、名門キャビアリ社のキャビアを生かした品々やヴィシソワーズなどのフレンチと共に、パリ本店で好評の手巻き寿司“MAKI”も用意。オープンサンドのように海苔とご飯の上にきれいに具を並べて出されるMAKIは、異文化の中で進化した手巻き寿司といった様子で、なんとも新鮮だ。 メイン・ディッシュは、和牛を中心とした厳選した肉の炭火焼をフランス風のソースか和風の薬味で楽しむスタイル。付け合わせには、なめらかなポテトピュレやフレンチフライなどの定番だけでなく、レタス一枚一枚に出汁のジュレが仕込まれた「チョレギサラダ」も用意されている。 ◆「サンルイ」のグラスで食後酒を 12階のバーの見所は、パリの「レストラン ケイ」のシンボル的な存在であるシャンデリアを制作したクリスタルメゾン「サンルイ」とのコラボレーション。テラスの半個室には「サンルイ」のシャンデリアが設置されており、夜闇に輝く姿は妖しくも圧倒的な存在感だ。グラスもすべて「サンルイ」製で、美しいクリスタルグラスで楽しむカクテルは格別。ずっしりしたグラスの重みを手に感じるうちに、脳が休息モードに切り替わり、時間の流れが緩やかになっていく。 キャンドルの光とグラスのきらめきに包まれながら、美食界の時代の寵児の世界観を満喫したい。 文=小松めぐみ(フード・ライター) 写真=田村浩章、メゾンケイ (ENGINE2024年9・10月号)
ENGINE編集部