「仕事だけはちゃんとするから、ほかは甘やかして」 家族にも仕事にも依存しない、田中圭の愛され力
いまや全方位的に愛される令和の俳優・田中圭。2021年公開の出演映画は6本。ドラマやバラエティーでも魅力を放ち、そのたびにネットをにぎわせるが、「自分はどこまでいっても“ただの人”」という気持ちがずっとあるという。自身の家族や、コロナ禍での変化についても正直に語りつつ、「仕事だけはちゃんとするから、そのほかは甘やかして」と手を合わせる姿は、まるで少年のようだった。(取材・文:山野井春絵/撮影:伊藤圭/Yahoo!ニュース オリジナル 特集編集部)
SNSの悪口「気にしなくなった」
売れっ子芸能人の宿命と言ってしまえばそれまでだが、田中の場合、本人も「ニュースになりやすい自分」を自覚している。 「ストレートに話しすぎってよく言われます。僕としては、オブラートに包んでいるつもりなんですが。こういう仕事をしている限りは、どこかで発した言葉が切り取られてネットニュースになる、それは理解できているんです。でもここ数年、言ったこともないことが記事になって、うそ~!っていうことがたくさんあったので……。『火のないところに煙は立たぬ』とはいいますけど、全然火がなくても煙は立てられてしまうんだなって。とはいえ、自分も誰かのニュースを見ると、本当なのかなとか疑う気持ちが湧いてきてしまうわけで。だから最近は、あまりネットニュースを見なくなりました。……あ、すいません。これYahoo!ニュースでしたね」 新作映画のなかでも、スキャンダルに苦しむさまが描かれている。田中自身、エゴサーチをすることもあるし、過去にはSNSをよく見ていた時期もあった。 「みんな同じだと思いますが、嫌なコメントを見ると、グサッとくる。最初の頃は落ち込みまくっていました。でも、人に対してSNSで悪く言うことの意味が、そもそもわからない。会ったこともない人に、わざわざ悪口を書き込むって……それをやっている人は、絶対“いい人”ではないですよね? だから最近は、気にしなくなりました」 ネガティブなニュースばかりが広がって、疑心暗鬼になる社会は寂しい、と田中は言う。かといって、そこに憤っているばかりでもない。 「僕は自分が『田中圭』だっていうことを、けっこう忘れがちです。なんというか、どこまでいっても『いえ、ただの人ですから』みたいな感じが抜けきらない。だからどうしても、“隙”を見せがちになってしまうんです。今後はもうちょっと隙を見せないようにというか、気を引き締めて生きてやろう、とは思っています」 田中は少し照れた表情で、頭をかきながらそう話した。