『M-1』連覇「松本人志でも優勝、松本不在でも優勝」の意味…令和ロマン・くるま「新カリスマ」のワケ
12月23日、漫才頂上決戦『M-1グランプリ』(テレビ朝日系)が生放送されました。 【画像】イヴ・サンローラン製、肩が反り返るようにいかつい漆黒の高級スーツを身にまとった髙比良くるま 今年の優勝は昨年に続き2連覇を果たした令和ロマン。その令和ロマンのボケ担当、髙比良くるまさんが「次世代のお笑い界のカリスマ」と言われている理由を考察したいと思います。
「貴重な1枠を奪う」歓迎されなかった優勝者の再挑戦
10330組という史上最多のエントリー数から頂点に上り詰めた令和ロマン。今年は『M-1グランプリ』20回目の節目という大会でもあることに加え、昨年優勝した令和ロマンが今年もエントリーし、さらには決勝進出まで決めていたことから放送前から大きな注目の的に。 パンクブーブーやNON STYLEなど、すでに優勝を果たしているコンビが再びM-1に挑戦して決勝に残ることはこれまでも珍しくありませんでした。しかしこうした状況は「すでに優勝しているのに貴重な1枠を奪うなんて」とお笑いファンからもあまり歓迎ムードではなかったことも事実。 しかし今年の令和ロマンに関しては決勝進出を決めてからも徹底してヒール役を演じることで放送前から「誰がラスボスの令和ロマンを倒すのか」という盛り上がる構図を自ら作り上げていました。これこそがくるまさんがやりたかったことと言えるでしょう。
自分のことよりお笑い界を盛り上げることに全力な男
以前からくるまさんは「他人を蹴落として自分が売れたいのではなく、お笑い界やテレビが盛り上がることをしたい」という趣旨の発言をしていました。M-1やお笑い界という大きな渦の中でずっと楽しいお祭りをしていたいという純粋な欲望だけで動いているのです。 昨年のM-1優勝直後のコメントで「来年も出ます!」とくるまさんが発言したことから今年のM-1のストーリーが始まっていました。 そして今年。M-1に出場して、貴重な1枠を奪ってまで決勝に残り、肩パッドががっつり入った漆黒のスーツを身にまとって他コンビを嫌味な笑顔で迎え撃つ。 優勝はもちろん狙うけれども、優勝以上に面白いストーリーを作り出してやる。大会が始まる前からまるでプロデューサーのような俯瞰(ふかん)した視点で大会を盛り上げていたのがくるまさんでした。