「仕事だけはちゃんとするから、ほかは甘やかして」 家族にも仕事にも依存しない、田中圭の愛され力
結婚10周年、妻は一番の親友で相棒
映画『総理の夫』では、孤島で野鳥観察をしているうちに妻が初の女性総理に就任。“ファーストジェントルマン”という大役に振り回される主人公を演じる。社会現象となったドラマ『おっさんずラブ』でも“巻き込まれキャラ”で人気を博したが、イケメンやクズ役、ミステリアスな役もこなす幅広さに驚かされる。 「どんな役も、自分そのものではないです。だけど自分にある要素も、どこか含んでいると思う、人間ですから。今回演じた“総理の夫”は、真面目で優しい鳥類学者という役どころですが、これは一番自分とかけ離れているかも(笑)。僕には、何かを研究するマメさはまったくないし、絵も描けない、家事もしない。共通点はゼロでした。だから演じるのは、逆に新鮮でした」 生活感や家庭のにおいをほとんど身にまとわない田中だが、結婚10周年を迎えた。田中演じる日和と妻である女性総理・凛子は結婚12年目。2人を見て思う夫婦円満の秘訣は「リスペクト」だという。 「日和が凛子をリスペクトしているだけでなく、凛子も日和の鳥の研究をリスペクトしてくれている。時に意見がぶつかることがあっても、いい落としどころを見つけられると思うし、それぞれやりたいことをやっているから支え合うこともできる。人それぞれ理想は違うけど、日和と凛子の夫婦像は間違いなくひとつの理想の形だと思いました」 スクリーンでは妻を支え、手際よく料理をする演技を見せるが、実際は家のことは全部妻にお任せだと笑う。決定的な違いはと聞くと、言葉を探りながらこう語った。 「日和はまず『凛子のために』というのがありますが、僕にはその感覚はないです。結婚したばかりの頃は『家族のためにお仕事頑張れるでしょ』とかよく言われましたが、そういう感覚でいると、うまくいかないときに家族に当たってしまうような気がして。自分のために頑張ったことが結果的に家族のためになればいいなと。家族もそうだし、仕事にも、すべてに依存しないように生きていきたいと思っています」