【決算おさらい】ファストリなど国内アパレル関連大手15社の注目トピックを解説
大手アパレル企業の2023年度の決算が出揃いました。コロナ禍が明け、街ではほぼ完全にパンデミック以前のライフスタイルが戻り、多くの企業が増収増益を記録。海外事業も回復が進み、過去最高業績を達成した企業も少なくありません。一方で、暖冬や円安の影響などで減益となったケースも見受けられました。 日常を取り戻し、更なる成長を目指す各社の業績傾向は?今回はアパレルに関連する大手15社をフィーチャーし、決算を売上規模別で紹介。2023年度の主な取り組みと今期の注目トピックもまとめました。
ファーストリテイリング(2023年8月期):2兆7665億円
売上収益:2兆7665億5700万円(前期比20.2%増) 営業利益:3810億9000万円(同28.2%増) 親会社の所有者に帰属する当期利益:2962億2900万円(同8.4%増) <主なトピック> ・3期連続で過去最高業績を更新。 ・海外事業が成長。コロナ禍からの回復が遅れていたグレーターチャイナを含む全地域で大幅な増収増益を達成。全体の連結業績に対する海外事業の売上収益は初めて5割を超えた。 ・国内ユニクロ事業は、比較的単価の高いアウターやボトムスの販売が好調だったことなどが寄与して増収増益で着地。 ・ジーユー事業も品番数を絞り込んだほか、マストレンド商品の数量を戦略的に確保したことが奏功し、期を通して好調に推移。大幅な増収増益を達成。 ・赤字体質に陥っていたグローバルブランド事業は「セオリー(Theory)」と「プラステ(PLST)」の増益に支えられ、事業利益が黒字化。 <今期の注目> ・柳井正氏に代わり、ユニクロ新社長に塚越大介氏が就任。 ・セオリーと協業してきたデザイナー ルカ・オッセンドライバー(Lucas Ossendrijver)がブランドを離れる。 ・欧州の主要都市への出店加速。2024年8月期はローマ、ミラノ、ロンドンなど10店舗の出店を予定。 ・中間決算では、上期売上収益の下振れを反映し通期の売上収益予想を3兆300億円まで下方修正したものの、依然として過去最高業績を見込む。事業利益、営業利益は変更なし。 2024年8月期通期業績予想(第2四半期末時点) 売上収益:3兆300億円(同9.5%増) 営業利益:4500億円(同18.1%増) 親会社の所有者に帰属する当期利益:3200億円(同8.0%増)