【新春対談】女子プロレス大賞・Sareee ウナギ・サヤカと一触即発?「バカにされてる気がする…」
2024年の女子プロレス界を盛り上げたのが「東京スポーツ新聞社制定2024プロレス大賞supported byにしたんクリニック」で女子プロレス大賞を初受賞したSareee(28)と、〝お騒がせ女子プロレスラー〟ウナギ・サヤカ(38)だ。互いに自主興行を成功させ、フリーとして多くの団体を渡り歩いた2人の初対談がこのたび実現。業界盟主「スターダム」の分裂騒動でスタートした激動の1年を前後編の2回で振り返る。 【写真】2023年には全日マットでタッグを組んだ両者だが… 【新春対談・女子MVP vs お騒がせ女子プロレスラー 前編】 ウナギ フリーとしてお互いに意識する部分は…ないです。似ている部分が一つもないから、意識とかしてない。 Sareee え! 私はフリーの選手がたくさんいる中で、唯一意識するヤツだなと思ってた。あっ、ゴメンなさい。リング上では負ける要素がないと思ってるから、全く意識してない。でも、話題性と自己プロデュース能力はすごいなって。負けたくないと思ってましたね。 ウナギ そこは私も全く負ける気がしないので。今後はキャリアでもひっくり返していかなきゃいけないと思うので、2025年はSareeeを泣かしますよ。まあSareeeはバカなのに、自主興行を3回もちゃんと埋めてすごいと思うよ。 Sareee バカにされてる気がする…。でも、9月2日にお互いの自主興行があった時は、こっちが先に発表したのに『コイツ、やったな』って思った。 ウナギ 仕方ないじゃん。誕生日だったんだから! Sareee そんなこと知らないよ! まあ1年を振り返ると、24年はやり切った年だった。ずっと狙ってきたIWGP女子王座に挑戦して岩谷麻優に負けて悔しかったけど、まだまだ追いかけるものがあるなって思った。それにマリーゴールドの初代のベルトもずっと戦いたかったジュリアと戦って巻いて、自主興行も3回できた。やりたいことをやり抜いた1年だったなって。ウナギは? ウナギ 23年みたいに火祭りに出たりとか、いろんな団体に出てはいないけど、未来のために動いた1年だった。初めて自主興行を後楽園で2回やって、1つの興行をやるのにこんなにいろんな人が動いてたんだってことを学んだり。今まで見えなかったプロレスが見えていく中で、腹をくくった1年だった。 Sareee 女子プロ界全体でもいろんなことが起こって、めっちゃ面白い1年だったよね。ジュリアたちがスターダムを辞めた時は「何かすごいことが起こるんだな」って思いつつ、スターダムとマリーゴールド、どっちにも上がれたらおいしいなって思った。実際両方に参戦して、自分が女子プロ界のど真ん中なんだぞっていうのを見せられたかなと思ってる。 ウナギ ウナはみんながどう動くんだろうって思って見てた。でも、やっぱり(スターダムを)クビになった先輩として、ロッシー(小川)には頑張ってほしいんだよね。自分がつくり上げてきたものから外れて、また新しい団体をつくるってすごいエネルギーが必要なことだから。ロッシーすげえなって思ったし、ウナもその中で一番を取ってやろうって気持ちで気合が入った。あと、この騒動の中で仙女(センダイガールズ)は大胆に動くなって思った。両方の団体を俯瞰して操ってた感があった。 Sareee 確かに。25年は里村(明衣子)さんの引退もあるし、仙女の今まで積み上げてきたものが爆発しそう。私の中では里村さんが引退発表したのも、大きな出来事だったな。デビュー戦の相手だし、WWEでもお世話になった先輩だから、とにかく戦いたいと思って、25年1月23日の自主興行(新宿フェイス)のオファーをした。 ウナギ 私は(里村引退を)聞いた瞬間、先に箱を押さえた。体もまだまだ元気な里村さんがここで終わりを決められる潔さはかっこいい。里村さんと対戦したことはないけど、あんな偉大な人と1回は試合をしておきたいなって気持ちが強くて、気づいたら2月16日に後楽園を押さえてた…。 ――25年の目標は Sareee 今年はマリーゴールドのワールド王座とシードリングのビヨンドザシーシングル2本のベルトを巻いて自分なりに結果を出せてきたので、今年以上にお客さんにも、そして同じプロレスラーにも刺激を与えたい。私が活躍することによって悔しいって思わせたいし、業界が盛り上がっていくような戦いを見せていきたい。 ウナギ 25年は後楽園での里村さんとのワンマッチ、4月26日の両国国技館での自主興行を予定してるけど、もちろんそこで終わるつもりもない。業界的にもっと面白いことを動かしていきたいなと思ってるので、他の世界とも寄り添っていきつつ新しいものをつくっていきたい。来年は革命を起こします。 ☆サリー 本名・藤村沙里。1996年3月31日生まれ。東京・板橋区出身。2011年4月17日のディアナ有明大会で里村明衣子を相手にデビュー。21年4月からサレイのリングネームでWWE・NXTに主戦場を移し、23年5月に日本マット復帰。必殺技は裏投げ。158センチ、60キロ。 ☆ウナギ・サヤカ 1986年9月2日生まれ。大阪府出身。2019年1月4日の東京女子プロレス後楽園大会でデビュー。20年11月からスターダムに参戦した。22年10月からは他団体を主戦場にする「ギャン期」と称し活動。得意技は大儀であった(変型ドライバー)。168センチ、54キロ。
木元理珠