【畑岡の失格騒動】"曖昧なゴルフルール"は解決できる!? 畑岡がSNSに挙げた「意見書の1」”3分ルール”で一般ゴルファーが失敗しない方法を女子プロや競技委員に聞いた
米女子ツアー「ショップライトLPGAクラシック」の大会2日目(6月8日)に、初日9番ホールのボール探索時間が規定の3分を超過していたことが発覚し、失格を受けた畑岡奈紗。その騒動から6日後の14日、「ゴルフルールの明確さ」を3つのポイントでまとめた意見書をSNS(インスタ)に投稿した。畑岡は「意見書の1」に”ボール探し3分ルールの曖昧さ”を指摘する。そこで、その解決策はないか。畑岡から意見書が投稿される前に聞いた女子プロや競技委員の考えをまとめた。
ボール探しの3分は「誰がどのように計測するか」
畑岡がインスタに挙げた意見書のタイトルは、「ShopRiteLPGA Classicで失格となった件について」。 意見書の1「ルールの曖昧さについて」を、畑岡は以下のように記した。 “規則上、「ボールを捜し始めてから3分以内」に見つけることができなければ、紛失したとみなされるとなっていますが、時間計測を開始するタイミング、誰がどのように計測するのか(誰が計測した時間を採用するのか)などは明確ではありません。 違反すれば結果的に失格にもなり得る重大なルールですので、可能な限り曖昧さを排除すべきですし、現実的に運用可能な環境を整備することが重要と考えますので、このような観点からルールの明確化が必要であると考えます。"(原文まま)
日本女子ツアーでは”ボール探しのルーリング”はどのように運用されているか。 畑岡が意見書をSNSに挙げる数日前に、女子ツアーの競技委員を務める中崎典子さんに話を聞いた。 まず意見書の1の前半部分「誰がどのように計測するか」。レフェリーがいる場合といない場合の対応について聞いた。 「基本的に球の捜索の3分間がスタートするタイミングや捜索時間は一般的な規則でカバーされている部分であり、USのLPGAだろうが、私たち(JLPGA)が計測しようが同じです。レフェリーがいない場合は、選手たちが『今から球の捜索をします』と時計なり何かを見て3分間、時間を確認する責任を追います。ルーリングで呼ばれたりした場合は、『いままで何分間ぐらい探してましたか』と時間を確認します。たとえば選手から1分と言われたら、そこから『あと2分捜索時間があります』とストップウォッチを押します」 「レフェリーがその場にいれば、あと30秒になります」と必ず声をかけるという。さらに選手自ら計測する時間を宣言し、そこにレフェリーがいたならば、時間を指摘してもらえるとも。 では、小社関係者がその場にいなかったので、あくまでも”報道によると”という但し書きがつくが、競技委員がそこにいたという情報もある。その点については? 「記事を読む限り、アンプレアブルの処置に立ち会っただけで、おそらく球が見つかった後に呼ばれたんじゃないかと推測します。また、球を捜索したこと自体、その時点で知らなかった可能性もあります。競技委員が球の捜索にいた場合は、必ず計測するはずです」 また「残り10秒です」と3分の時間が迫れば10秒単位で細かく声かけするとも話した。 “球の捜索の3分間がスタートするタイミングや捜索時間は一般的な規則でカバーされている”というが、ほかのツアーではどうか。 日本オープンなどで競技委員を務め、R&Aのレベル3「Distinction」(最高位)を獲得したルールに詳しい松山浩晃さんも同じように説明する。 「球の捜索はプレーヤーかキャディが捜索を開始したときに計測がスタートします。私がレフェリーとしてフィールドに居る場合、選手やキャディが捜索開始する瞬間に立ち会える場合、選手やキャディが球のあると思われる辺りまで来てから『今から3分間計測します』といったような声かけで計測を開始します」 時間経過の対応も中崎さんと概ね同じ。 「『残り1分です』『残り10秒です』、終了したら『3分経ちました』といったように伝えます。ボール探しをしているところを見かけて途中で加わる場合、『今どのくらい探しましたか?』と尋ね、その答えに応じて残り時間を計測するようにしています。計測する場合、3分経過したことを明確に伝えることが重要です」と松山さんは話す。