内閣府の基調判断は2023年5月以来の上方修正…地震や台風は「8月の景気」にどう影響したか【解説:エコノミスト宅森昭吉氏】
政治への関心高まる8月
「政治」関連先行き判断DIは46.4、政治要因が景気の先行き不透明要因に 8月の「景気ウォッチャー調査」では、現状判断で3名、先行き判断で14名が政治に関してコメントしました。現状判断で0名、先行き判断で3名だった7月とは様変わりです。8月の「政治」関連現状判断DIは50.0、「政治」関連先行き判断DIは46.4です。 東海の家電量販店・営業担当が「お盆まで夏物商材が動き来客数も伸びたが、お盆以降は来客数が減ってきている。衆議院選挙の可能性もありそうで、米国大統領選挙もあり政治的には先が見えない時期である」と、「やや悪くなる」という先行き判断に関しコメントしています。また、九州の百貨店・企画担当は「現状の水準を維持していれば、3ヵ月後も今月と大きく変わらない。今後の総裁選の結果など大きな政治要因があり、現状では今後の見通しが難しい」と、「やや悪くなる」という判断に関しコメントしています。先行きを見通しづらい政治要因が景気の先行きの不透明要因になっていることがわかります。 ※なお、本記事は情報提供を目的としており、金融取引などを提案するものではありません。 宅森 昭吉(景気探検家・エコノミスト) 三井銀行で東京支店勤務後エコノミスト業務。さくら証券発足時にチーフエコノミスト。さくら投信投資顧問、三井住友アセットマネジメント、三井住友DSアセットマネジメントでもチーフエコノミスト。23年4月からフリー。景気探検家として活動。現在、ESPフォーキャスト調査委員会委員等。
宅森 昭吉