「想像以上に頼りになった」…子育て支援「ふく育」利用増、シッター派遣や送迎タクシー
子育て世帯の育児などを代行するシッターを派遣する県の取り組み「ふく育さん」、妊婦や子どもを送迎する「ふく育タクシー」を利用する住民が増えている。県内でも親子で暮らし、子育てに親族の手助けが受けにくい世帯が目立っており、県は活用を積極的に促したい考えだ。(荒田憲助) 【図】3世代同居率の推移
県によると、県内ではこれまで、子ども、両親、祖父母の3世代同居や、祖父母宅の近くに子育て世帯があることが多く、両親が仕事などで多忙でも育児で親族の助けを得られやすかった。 しかし、近年は他地域からの移住や親子だけの核家族が増加。2005年に20・2%だった県内の3世代同居率は20年には11・5%に低下した。 日常的に親族の支援を得られない家庭を支えようと、県は23年秋に、ふく育さん、ふく育タクシーを始めた。
ふく育さんでは、保育士や子育て経験者らが利用者の自宅などで子どもを預かり、遊び相手や食事、トイレの世話などをする。原則、生後6か月から小学6年生までの子どもが対象。保護者が通院、介護などで子どもを連れて行けない場合や、リフレッシュする時間を確保したい時などに利用してもらうことを想定する。料金は1時間あたり2000円程度で、時期や時間帯によって変動する。 ふく育タクシーは、運転に不安のある妊婦や、習い事などに向かう子どもらが利用できる。研修で接客などの訓練を重ね、県の認定を受けた運転手がハンドルを握る。通常のタクシーと同額で済む。
23年度の利用はふく育さん56件、ふく育タクシー223件だったが、24年度は11月末時点でふく育さん350件、ふく育タクシー593件と急増した。県には「ふく育さんは想像以上に頼りになった」「子どもの習い事の送迎ができない時に、ふく育タクシーに助けられた」といった声が寄せられているという。 県は「日本一幸福な子育て支援県」を掲げ、子育て環境に優れていることを全国にアピールしたい考えで、県の担当者は「変化する家庭の形に合わせ、子育てへの支援を強化したい」と話す。
はぴコイン還元も
二つのサービスはいずれも、専用ウェブサイト「ふく育サービスプラットフォーム」から申し込める。県は2月21日まで、サービス利用後にアンケートに答えれば、最大1万円分のデジタル地域通貨「はぴコイン」として利用額が還元されるキャンペーンを実施している。問い合わせは、ふく育サービスプラットフォーム事務局(0776・37・3473)。