押し込み強盗、ストーカー、災害避難時の性被害や窃盗…、具体的な10の事例から防犯対策を練る。
〈 詐欺 〉多様な手口で横行する、募金詐欺を見抜く。
電話でNPO団体を名乗るボランティアから、被災地への募金のお願いがあった。被災地は知人が住んでいることもあり、指定されたとおりに口座に義援金を振り込んだのだが、後日、知人はそんな団体は聞いたことがないと言う。慌てて、団体が残した連絡先に電話をしたが、すでに通じなかった。 【対策】 善意に付け込むような募金詐欺は年々多様化しているらしい。 「まず公的な団体が個別に電話をかけ、募金を募るというのはまずないことです。なので、そんなケースに出くわしたら、相手の素性(住所や氏名、連絡先)などを聞いた上で、団体のホームページをチェックしてみましょう」 ホームページが存在していたとしても、更新が滞っていたり、寄付の使い道が明記されていなかったら要注意だ。 「募金詐欺は個別の金額が少額のため、メディアなどでも報道されずそのままになってしまう事例が多く、日頃から自分で注意する必要があります」 そして、なかなか報道が世に出てこないのはまた違った事情もあるらしい。 「いつか犯罪をしようと考えている人間を犯罪企図者と呼びますが、そういう輩に多様化している詐欺の手口を教えたくないという意図もあるようです」 模倣犯を出さない、ということだ。
桜井礼子 さん さくらい・れいこ 防犯アナリスト、日本防犯学校副学長 女性、母親、高齢の親を持つという立場から、自分自身でできる防犯対策を提唱する。著書に『すぐできる60歳からの自宅防犯ワザ100』が。
撮影・小川朋央 イラストレーション・クレメンス メッツラー 構成&文・堀越和幸
『クロワッサン』1124号より
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