押し込み強盗、ストーカー、災害避難時の性被害や窃盗…、具体的な10の事例から防犯対策を練る。
〈 性被害など 〉1人で動かないことで、性犯罪を未然に防ぐ。
大勢の人と避難生活をしているとふとした時に、見られている、と感じることがある。今日も上着でかばいながら、子どもに授乳をしていたら、人の視線を感じた。反射的に周囲を見渡しても、誰も見ていないようなのだが……。 【対策】 有事の避難所における着替えや子どもへの授乳は、女性が困る大きな問題だ。即席避難所には、専用の個室どころか段ボールの仕切りがないことも。 「簡易的なものでもいいのですぐに調えてほしい、と行政へお願いしたいですね。授乳については、母子の体をすっぽり包む専用の授乳ケープがあるので、知識として覚えておくといいです」 性被害のリスクを少しでも減らすにはトイレに1人で行かないことも大切。 「子どもに付き添う時は、入り口で〝ここで待ってるからね!〟と大きな声をかけるだけでも効果があるはずです」 加えて防犯ブザーも準備したい。 「その使い方も大切です。防犯ブザーを鳴らしたらとにかく人けのあるほうへ投げるのです。すると犯人はそれを取りに行くか、人を恐れて逃げます」 そのまま握り締めていると、犯人に奪われて踏み壊される危険も。
〈 窃盗 〉避難所で貴重品を保管する心得は?
避難所で食料の配給を受けるために自分の居場所からちょっとだけ離れた。財布や通帳を入れたハンドバッグは危ないので布団の下に隠しておいたのだが、戻ったらすでになくなっている。昼間の時間、こんなに大勢の人が中を行き来しているのに……。 【対策】 避難所に行くことになった時、人の目がたくさんあるから何かと安心かとつい思ってしまいがちだが。 「そのたくさんの人の中には悪いことを企む人もいるということを忘れないでください。有事の場合は特に、つい魔が差すということだってありますから」 大切なものを集団生活に持ち込む時は肌身離さず、が基本だ。 「まずハンドバッグはNG。ウエストポーチやボディバッグで常に携行することを心がけてください」 寝る時も肌身離さず、なのか? 「外して枕の下に敷く、という意見も聞いたりしますが、一度寝返りを打てばもうアウト。仰向けで寝るならポーチ部分をお腹に回し、寝ることです」 そしてこれは平時より準備しておくといい一つのアイデアだが。 「銀行には貸金庫というサービスがあり、貴金属や有価証券などの財産を預かってくれます。年間2万円くらいで使えるので、一度調べてみましょう」