押し込み強盗、ストーカー、災害避難時の性被害や窃盗…、具体的な10の事例から防犯対策を練る。
〈 空き巣、ストーカー 〉不用意なSNS投稿に個人情報のヒントが。
まとまった休みが取れたので沖縄にやってきた。とつぶやき、SNSに上げた海辺の景色や食事や買い物の写真。が、4日間の旅程を終えて、家に戻ると部屋の様子が何か変。クローゼットや書類棚の引き出しが中途半端に開いていて、物が動かされている。よく調べてみると、バッグや時計、アクセサリー類がごっそり盗まれていた。 【対策】 不用意にSNSで自分のことをしゃべっていると、それが空き巣にとって好都合の情報源となることがある。 「特に現在進行形で旅の話をするのは、留守であることを公言しているようなもの。気をつけましょう」 留守宅を狙うのが空き巣だから、対策は留守を悟られないようにすること。 「例えば、家を空ける時に、設定した時間だけ灯りがつくタイマー付きの照明もあったりしますので、そういうものを活用するのも手です」 またSNSを発信する時には、自撮り写真にも注意したい。 「写っている背景で住所を割り出したり、中には瞳に映り込んだ風景で家を特定する手口も耳にします」 ゲーム感覚で探し出すらしい。
〈 空き巣、出店荒らし 〉防犯カメラ、ロープで火事場泥棒を撃退。
震災に見舞われて、一時避難を余儀なくされた。1週間ほど経って余震が落ち着きだしたので、家に荷物を取りに戻ると、傾きかかった家の窓が割れていて、畳の床には土足の跡。テレビや電子レンジ、パソコンなど主だった電化製品がきれいになくなっていた。 【対策】 いざという時は着のみ着のままで逃げなければいけないから、いわゆる火事場泥棒はそこに付け込む。 「被災地では残念ながらどこにでもある事例で、貴金属だけでなく、最近はお金になるものなら家電でも何でも持っていかれるケースが多いようです」 前述したセンサーカメラやAIカメラの設置が一つの防衛策となるが、「停電で止まってしまうことがあるので、それに対するケアは必要でしょう」 併せて桜井さんが教えてくれた簡単な方法がロープの活用法だ。 「家に帰れるタイミングになったら、周囲にロープを張り巡らせるんです。空き巣にとっては、それをするだけでも精神的なハードルが高くなります。不法侵入の明快な線引きになりますし」 また、避難勧告の出た町ではコンビニなどの店も荒らされることが多い。これを出店荒らしと呼ぶ。 「お店の場合は有事の際、責任者がレジを空っぽにして避難することになりますが、全ての入り口を施錠して逃げない限りは、商品を完全に守り切るのは難しいというのが現状のようです」