押し込み強盗、ストーカー、災害避難時の性被害や窃盗…、具体的な10の事例から防犯対策を練る。
〈 詐欺 〉災害時にも平時にも悪質な訪問販売に注意。
大きな地震と度重なる余震が続いて、古い家に雨漏りがするようになった。困っていたところに、自治体から要請を受けたという触れ込みでブルーシートを売る業者がやってきた。さっそく屋根に取り付けてもらったら、請求された金額が10万円を超えていた。 【対策】 人の弱みに付け込む便乗商法が出やすいのも、有事においては気をつけなければならない点。 「自治体から派遣されたということだったら、まず身分証明書を確認しましょう。その上で、役所に直接確認を入れればダブルチェックになっていいでしょう。業者の訪問販売の場合は、あらかじめ見積もりを確認することです。もし不当な料金を請求されたら消費者センターに連絡をしてください」 有事と言わず、最近は平時でも屋根の修理を請け負うという訪問販売の詐欺が横行している。 「アポなしで訪ねてきて、屋根が傾いているから工事しないとすぐに壊れる、あるいは瓦が落ちそうだから早く点検したほうがいい、と不安を煽っておいて高額な修理代金を要求する手口です」 たいがいの場合は無料点検で誘うので、それを真に受けてしまうとーー。 「屋根に上がって、目の届かないところを壊してからその修理費を見積もろうとする悪質なやり方もあります」 怪しかったら契約をしない。立ち去らなかったら警察に電話をしよう。
〈 車上狙い 〉ちょっとの工夫で、車上荒らしを撃退。
避難所で窃盗に遭うのが嫌なので、貴重品関連の荷物を駐車場の車の中に保管していた。昼間は車で過ごすこともあり注意を払っていたつもりが、ある晩、窓ガラスを割られて、中の荷物がごっそり盗まれてしまった。 【対策】 まず、車のガラスは案外割れやすいと、桜井さんは言う。 「先の硬い金属の棒やハンマーがあれば案外簡単に割れます。なので、座席部など見えるところに目を引く荷物を置いておくのは絶対に避けましょう」 また、最近は鍵穴に鍵を差し込まない、スマートキーでドアの開け閉めを操作する車も増えた。そしてその車を狙った車上狙いや自動車盗も多発している。 「スマートキーが発する微弱な電波を、持ち主からキャッチして、それを車の前で待ち受けている人間に中継してロックを解除するというやり方です。リレーアタックと呼ばれていて、これだとどう盗まれたのかがわかりづらい」 対策としてはスマートキーの電波を外に漏らさない、専用の電波遮断ボックスに保管をすることなどが考えられる。災害時に限らず、平時においても気をつけなければならないだろう。