【解説】LINEヤフー問題 報酬年間45億円の慎ジュンホ氏「出澤社長の4倍」が物語ること 政府の警戒は杞憂か?
■重要インフラに指定されたLINE 法律で「妨害」は防げるのか
経済安全保障推進法の成立に関わった政府関係者C氏は、LINEが多くの自治体で使われていることを指摘し、それゆえにLINEの「ゆるさ」は一層問題だとする。 確かに、自治体の公式LINEアカウントを見てみると、自治体ごとに、住民票の申請手続きや粗大ゴミの回収申し込み、ふるさと納税の特設サイトなど、様々な活用がされている。 わざわざ平日に役所に出向かなくても、空いた時間にスマートフォンひとつで煩雑な手続きを行うことができることは、どんなに利便性が高まったことかと改めて実感する。 だが、「自治体の公式LINEアカウント」ということで、信頼度があることも真実で、多くの人が抵抗なく氏名、住所、必要とあらば携帯番号ほか、さまざまな個人情報を入力しているのも確かだろう。 経済安保推進法に関わった政府関係者C氏 「経済安保推進法の第3章では、重要基幹インフラは国が点検すると定めている。全国に影響のある企業が対象になる。LINEヤフーは対象だ」 LINEヤフーは、「メッセージ交換サービスのうち利用者数が6000万人以上で、かつ公共サービスに利用されている」として、規制対象となる特定社会基盤事業者に選定されている。 2024年5月17日からは、国の重要な設備が「外部から妨害」を受けることを防ぐため、「設備の導入や管理を委託する際は、事前に国に届け出る」ことが義務づけられる。 具体的には例えば以下のようなことだ。 *定められた人員以外がアクセスできないよう監視カメラ等で入退室を管理したり、データへのアクセスを制限することを確認 *特定設備の供給者が、外国の法律や外国政府などの指示で、(暗黙のものも含む)、契約違反が生じた可能性がある場合、自社に報告するよう契約 これにより、これまでのような、「外部への委託で、コントロールできないところでの情報流出」は防げるようになるのだろうか。