日銀・黒田総裁会見10月31日(全文3完)マイナス金利の深掘りは可能
日銀の黒田東彦総裁は、金融政策決定会合後の31日午後、記者会見を行った。 ※【**** 00:35:30】などと記した部分は、判別できなかった箇所ですので、ご了承ください。タイムレコードは、「日銀・黒田総裁が会見(2019年10月31日)」に対応しております。 【動画】日銀・黒田総裁が会見(2019年10月31日) ◇ ◇
下振れリスクが高まっているとは思えないが
NHK:すいません、NHKの【オオクボ 00:47:58】です。海外経済の下振れリスクなんですけれど、先ほど当然、リスクは高まりつつあると。で、今回、フォワードガイダンスの修正のベースにこうした判断があろうかと思うんですけれども、米中の交渉は進展の兆しが見えている。 黒田:そうです。 NHK:懸念されたイギリスのEU離脱も、10月のハードブレグジットというのは回避されたと。ITサイクルも底打ちをしたと。 黒田:そうです。 NHK:一時的に恐れが高まる自体にはなってないというのはこういうことだと思うんですけれども、これをもってしても下振れリスクが高まっているというふうにはなかなかちょっと受け止められなくて。総裁、先ほど米中の話のときに、いろんな多岐に問題がわたっているというふうなことがあったのですが、構造問題がすごく長引いているというふうなことなんでしょうか。対立構造が長引いているというか。 黒田:おっしゃるようなことだと思いますけども、ご指摘の、例えば米中の話にしても、一定の第1段階の暫定的な合意というのはできているわけですけれども、これが最終的な合意にいつなるのか。それからさらにもっと幅広い範囲で米中で対立して、摩擦が生じているわけですけども、それがいつどのように解決されるのかまだ分からないわけですね。そういう状態がずっと続いているわけです。 ですから、そういう意味では確かに足元、一定の改善の兆しが見えたことは事実なんですね。それで市場も好感したことも事実なんですけども、それでリスクが低下したとか、そういうふうにはなかなかみられないと。