湾岸タワマンは将来「負の遺産」確定?麻布エリアに「永遠に勝てない」悲しすぎる理由
華やかさやステータス性の高さで人気を誇るタワーマンション(以下、タワマン)。超高層建築にも関わらず高い耐震性を誇る一方で、将来的な老朽化で生じる課題にも目が向けられているとは言い難い。特に、同じ都内のタワマンでも、立地エリアによって将来建て替えを迎えた際、大きな「格差」が生じる得ることはあまり知られていない。一体その格差とは何か。不動産ジャーナリストの榊淳司氏が解説する。 【詳細な図や写真】RC構造はタワマンをはじめとするマンションで採用されている(写真はイメージ、Photo/Shutterstock.com)
「タワマンバブル」はいつまで続く?
タワマンはその人気ぶりから、現在も次々と新築が続いている。不動産経済研究所の調査によると、2024年以降に完成を予定している階数が20階以上の超高層マンションは全国で321棟、11万1645戸。そのうち首都圏が194棟、8万2114戸で全国シェアの約7割を占めている。 タワマンをはじめ日本で「マンション」と呼称している集合住宅は、ほぼ「鉄筋コンクリート造(以下「RC」)という構造が採用されている。 RCとは鉄筋の周りをコンクリートで固めた構造物を建物の主要躯体に採用する建築の手法で、今や世界の高層建築物構造の主流だ。この建物構造を採用した高層建築物が盛んに建設され出したのはここ80年程度で、世界を見渡しても建築されてから80年以上のRC高層建造物はほとんどない。 RCはほかの構造の建物と比べ、耐久性に優れているとされているが、それでも、やはり建築物として寿命があり、その耐久性は約100年と言われている。
「超頑丈」なRCが劣化する「ある要因」
RC構造の基本は鉄筋とコンクリートである。コンクリートはおそらく数百年の耐久性がありそうだが、鉄(Fe)は「酸化」し得る可能性を有している。つまり錆びる危険があるのだ。 RCの基本を成すコンクリートはアルカリ性であり、通常はこのアルカリ性が、コンクリートに囲まれた鉄筋に「不動態被膜」という膜を生じさせて鉄筋の腐食を防いでいる。 しかし、長い年月の間、大気中の二酸化炭素に触れて、コンクリートがアルカリ性から中性へ変化してしまったり、塩害の影響で、コンクリート中の塩化物イオンの濃度が高まることなどにより不動態被膜が破壊された場合には、鉄筋が錆びて酸化鉄腐食が進んでしまう。 この錆を生じさせるのは、「酸素(O)」である。 1ページ目を1分でまとめた動画 鉄が酸化(錆びる)すると、その容積が膨張する。RCであれば、鉄筋が錆びることで膨れ上がり、まわりのコンクリートを破壊され、ひび割れなどが生じてしまう。RCの躯体構造にひび割れが生じると、そこからさらに空気や雨水が入ってくる。酸素は当然、大気中にも水(H20)にも含まれており、さらに酸化(錆び)が急速化してしまう。 つまり、いくら丈夫と言えども、RC構造で建造されたすべてのマンションは、鉄筋の酸化(錆び)によっていずれ寿命を迎え得るのだ。言い換えれば、RCのマンションとは長く見ても寿命が100年程度の期間限定の集合住宅となり得るとも表現できる。 「寿命が100年」と言えば、大方の日本人には「十分ではないか」と思われるだろう。 日本人のほとんどは、ほんの50年前まで木造住宅に住んでいた。日本の住まいの大半は築30年前後で建て替えられるので、たしかに「100年」と聞けば「十分」だと考えるのが自然である。