日銀・黒田総裁会見10月31日(全文3完)マイナス金利の深掘りは可能
レトリックを駆使したつもりはない
英語のほうは私は見ていませんが、1つありうるとすれば日米欧と比較していただくと、米国と欧州は消費が極めて堅調で、消費が引っ張って、設備投資はやや弱くなっているわけですけれども、わが国の場合が消費は伸びてはいるんですけれども、労働市場が非常にタイトであるわりには賃金がそこまで上がってないとか、消費も伸びてはいるんですけども欧米ほどの伸びではないと。 他方で設備投資は、欧米では弱めなんですけども、わが国ではこのところ極めて堅調であるということがありますので、その辺は外国の方が読まれると興味深いと思われるかもしれませんが、特に何かレトリックを駆使したつもりはありません。 時事通信:幹事社ですが、よろしいでしょうか。 黒田:じゃあ1つだけ。終わります。
超長期金利が下がらない対策をどう考えているのか
NHK:ありがとうございます。NHKの【モトダ 00:59:08】と申します。総裁、最近のインタビューなどで、超長期の金利が上がっているのは望ましくないというふうに言われていて、最近、黒田総裁の口先介入があると効くといううわさを聞いてまして、総裁がそうしゃべると金利が上がるという話も聞いております。 ただ、今回、打ち出された、かつてない強力なフォワードガイダンスによりますと、現在の水準、またはそれを下回る水準で【推移している 00:59:37】というふうにいうわけですから、はやり超長期の金利は意図に反して下がってしまうという危険があるのではないかと思って。先ほどは新たな政策を取るには、そのときに副作用対策は考えるということだったんですけれども、このフォワードガイダンスによって総裁自身が望まない超長期の金利の引き下げを招いてしまえば、自分で自分の首を絞めることになるのではないかという疑念についてどういうふうに思われているかということと、それに対する対策に関してはどのように、特に超長期の金利が下がらないような対策についてはどう考えていられるのか、以上でお願いします。 黒田:フォワードガイダンスは、政策金利についてのフォワードガイダンスということで、ただ【超短期 01:00:29】だけではなくて、当然、長期のほうにも影響が出るということはそのとおりだと思うんですが、私どもとしては特に超長期の金利を下げる必要があるとは考えていません。むしろ超長期の金利があまり下がり過ぎると、年金とか生保の資産運用について影響が出ると、間接的ではあるけれども消費マインドになんらの影響が出る可能性がありますので、超長期の金利は下がり過ぎるというのは好ましくないというふうに依然として考えています。 景気対策という意味では、短期、中期の金利が下がるっていうことが一番効果的だということは総括的検証でも明らかになっているわけですので、そういう意味では何か超長期の金利が下がったほうがいいとか、あるいはこれによって下がるとは思っていませんが、仮にイールドカーブとして非常にフラット化してしまうっていうような状況がありうるとすれば、当然、資産買い入れプログラムで超長期の国債の買い入れをさらに減額するとか、いろんな方法はありうると思っております。 時事通信:それでは幹事社ですが、終わりにします。 黒田:どうも。 (完)【書き起こし】日銀・黒田総裁会見10月31日