「初めてのコンタクト選び」で注意したい3つのポイント
こんな時はつけちゃダメ!自分の目の状態を知ろう
起きて顔を洗ってから、コンタクトを取り出してつける。コンタクトライフが長く、装着に慣れている方は、ここまでの作業をほとんど無意識に、パパッとできるのではないでしょうか。ですが、この無意識に「パパッと」つける習慣、ちょっと待った。あなたの目を守り、快適なコンタクトライフを送るために、あることをしてほしいのです。 それが、「装着前の目の20秒チェック」です。ここで、あなたの今日の目の状態がわかります。目の状態が悪いときにつけることは、大切な目を傷める危険性を高めてしまいます。不便かもしれませんが、これからも続く長いコンタクトライフを快適に過ごすため、「一生見える人生」を守るためと考えれば、ここは、ぐっと我慢するのがよいでしょう。 次のチェックリストでいずれか1つでも気になるところがある場合は、できればその日はコンタクトの使用は控えましょう。 《装着前の目の20秒チェック》 ・乾燥していないか(10秒間、まばたきせずに目が開けられるか) ・目ヤニが出すぎていないか ・かゆみはないか ・充血していないか ・コンタクトをつけたときにゴロゴロしていないか 続いて、チェックがついたことで、目が今、どんな状態なのか、どういう危険性があるのか、それぞれの項目をご説明します。 ・乾燥していないか ドライアイは加齢や長時間のスマホやパソコン利用、コンタクトの装着でなることが多いとされています。この状態でコンタクトを使うとドライアイが進行しかねません。角膜が乾燥することによって、表面に傷がつき「角かく膜まく上じょう皮ひ 障しょう害がい」という状態になり、視力低下などを引き起こすことがあるので要注意です。 簡易的なチェック方法ですが、10秒間まばたきをせずにいられるかどうかが、1つの目安になります。 ・目ヤニが出すぎていないか/かゆみはないか 目ヤニは少量であれば目の代謝活動がしっかり行われている証拠ですが、普段より目ヤニが多かったり、かゆみが多かったり目がかすんだりすると危険信号。「巨大乳頭結膜炎」という、レンズの汚れが原因で上まぶたの内側にブツブツができるアレルギー性の眼障害に発展することがあります。 ・充血していないか 充血は、目の疲労の蓄積や炎症を起こしているなど、目の状態が悪いサイン。その日は、コンタクトの着用をやめ、充血がなかなかひかないようでしたら、眼科に行ってください。 ・コンタクトをつけたときにゴロゴロしていないか コンタクトをつけたときにゴロゴロしたり、違和感があったりする場合もつけるのはやめましょう。角膜に傷がついていたり、「アレルギー性結膜炎」になっていたりする可能性があります。これは、花粉やほこり、ダニなどが原因でまぶたの裏側や白目の部分がアレルギーにより炎症を起こした状態です。コンタクトのケア用品でなる場合もあります。 日によって気温や湿度は違いますし、季節によっても春と秋は花粉の影響を受けやすい、夏は菌が繁殖しやすい、冬は乾燥しやすい......と、私たちの目は毎日違った環境にさらされています。 基礎化粧品や化粧品を季節やその日の肌のコンディションで使い分ける方もいると思います。肌が荒れているならメイクをお休みする人もいるでしょう。それと同じで、その日の目のコンディションを知っておくことで、自分の目を大切にしながら、健康的なコンタクトライフが送れるのです。
吉田忠史(株式会社パレンテ代表取締役),河内敏(監修/眼科医)