【闘病】脳腫瘍で「人生終わった…」 から一転、てんかんの後遺症があっても前を向く
患者さんの心の拠り所になる居場所を作りたい
編集部: 畑中さんが日々取り組んでいること、注力していることについても教えてください。 畑中さん: 2022年11月頃からは、2度目のてんかん発作をきっかけに、Instagramで自身の闘病経験を発信し始めました。また、各病院で行われているがんサロン、自身の職場内のがんサロンやオンラインがんサロンにも積極的に参加しています。 編集部: 畑中さん自身もサロンを運営されているそうですね。 畑中さん: 自らオンラインがんサロンを立ち上げ、若手の会や全世代向けの会などニーズに合わせて月1回ペースで開催しています。 編集部: 畑中さんはかなり精力的に活動されているみたいですね。 畑中さん: 今はがんと闘う薬剤師として本格的に活動を開始し、かつては自分で身体を起こせないほど衰弱した私が、元気になった姿をお世話になった方や治療中の患者さん、その家族に見せたいと思っています。多くの人に勇気を与えるためにフルマラソン(熊本城マラソン)への挑戦も決意したのですが、残念ながら来年に持ち越しになりました。来年は再チャレンジして、完走を目指したいと考えています。 編集部: 畑中さんの今後の目標、夢は何でしょうか? 畑中さん: 将来的には、がんサロンを薬局内で開けるような薬局を自分で開設することです。「ひとりで頑張らない。寂しくなったり、辛くなったりしたら、ここに居場所があるんだよ」と、そんな薬局を作るのが私の夢です。 編集部: 脳腫瘍やてんかんという病気についてよく知らない人、普段意識していない人に伝えたいことはありますか? 畑中さん: 病気は傍で見てすぐ分かるものと、分からないものがあると思います。もし、身近な人や同じ職場内に見て分かりにくい病気の方がいらっしゃるなら、少しだけでも優しく接していただけると嬉しいです。 編集部: 畑中さんが医療従事者に伝えたいこと、希望することはありますか? 畑中さん: 治療中は様々な医療従事者の方にお世話になりました。治療中で苦しい時期も、たくさんの差し入れや会話をしてくれてありがとうございました。本当にみなさんの心の支えがあって、辛い治療を乗り切ることができました。治療中、苦しい時期などにご迷惑をおかけしてしまうこともあったかもしれません。これからも変わらず、優しく接していただけると嬉しいです。 編集部: 最後に読者に向けてメッセージをお願いします。 畑中さん: 私は手術、抗がん剤治療、放射線治療を受けて寛解し、今に至ります。現在はフルタイムで病院薬剤師として働いており、将来的には患者さんの心のケアまで行える薬局を自分で作りたいと考えています。治療の経験はとても辛いものでしたが、私自身が得たものも大きいです。いつかがんサロンのある薬局を開設し、困っているみなさんの心の拠り所を私が作ってみせます。