古田氏の殿堂入りを野茂氏がユーモアで祝福 「アマ時代はバントしかしていなかった人が」。
公益財団法人、野球殿堂博物館は23日、都内の同博物館で平成27年度の野球殿堂入りを発表。プレーヤー表彰では、元ヤクルトで監督も務めた古田敦也氏(49)、特別表彰ではリトルリーグ創設など少年野球の発展に寄与された故・林和男、元朝日新聞社長で夏の高校野球創設に尽力された故・村山龍平氏の2人が選ばれた。古田氏は有効投票数の76・8パーセントに当たる255票を獲得。次点の元巨人の斎藤雅樹氏は、当選に必要な75パーセントにわずかに足りなかった。また現役引退後、21年以上、監督、コーチ退任後6か月以上を経過した人を対象とするエキスパート表彰は、有効投票数の75パーセント以上を獲得した人がなく、2年連続で該当者無しとなった。
発表並びに表彰式は、この日、東京ドームに併設されている野球殿堂博物館で行われたが、古田氏のゲストスピーチとしては、昨年殿堂入りを果たし、ソウル五輪でバッテリーを組んだ元メジャーリーガー、野茂英雄氏が登場した。当初、恩師である野村克也氏にゲストスピーチが依頼されたが、体調不良で出席ができず、野茂氏に白羽の矢が立った。 野茂氏は「全日本の合宿で初めて会ったときに、明るいがキャッチャーで良かったと思った。守備力が高く、捕ってからが早く、キャッチングもうまい。こんな人がプロに行けないのかと驚いたけれど、次に驚いたのは、古田さんがプロで首位打者をとったこと。アマ時代には、金属バットでセーフティーバントしかしていなかった人が、2000本も打って名球界に入られた。本当に驚いた」とユーモアたっぷりにエピソードを語った。 ドラフトでは同期だが、3つ年上となる古田も苦笑い。 「野茂が来てくれて嬉しかった。逆に僕も、野茂に全日本合宿で初めて会ったときに150キロのストレートに凄いフォークを投げる野茂みたいな投手がアマにいるのか、プロとはどんなところなんだ?と驚いた。バント? 言われて思い出したけれど、していましたねえ。国際大会では、生き残るため日本が勝つためにそれくらい必死にやっていた」 野茂氏が伝えたかったのは、古田のプロへ入ってからの努力の跡だ。