涙、涙の横浜DeNA今季初勝利…“ハマの番長”三浦監督が9戦目にして連敗地獄を脱出できた理由とは?
横浜DeNAが4日、横浜スタジアムで行われた広島戦に3-1で勝ち連敗を「6」でストップ、今季初勝利をあげた。三浦大輔監督(47)に9戦目にして就任初勝利をプレゼントしたのは、先発抜擢されてプロ初勝利をマークした阪口皓亮(21)の5回3安打無失点力投と、今季初スタメンで起用された神里和毅(27)の本塁打&美技。ドラフト2位の牧秀悟(22)が猛打賞で貴重な追加点をマークするなど”番長チルドレン”たちの活躍とスタンドの熱い拍手に三浦監督は目を真っ赤にしていた。すでに来日して新型コロナの感染予防で隔離中のソト、オースティンもスタンバイしている。ようやく目を覚ました横浜DeNAの反撃はここから始まる。
”番長チルドレン”4年目阪口がプロ初勝利
春雨の落ちる“ハマスタ“に今季初めて勝利の球団歌が流れた。 プロ初勝利をマークした阪口が号泣していた。 「涙?(北海高校時代に)甲子園出場を決めて以来ですね。たぶん勝ったら泣くだろうと思っていました。それくらい勝ちが欲しかった。三浦監督の勝利も重なって感極まった」 無理もないプロ初勝利と共に連敗ストップの大役を担っていた。 前日のオンライン取材では「僕には背負うものがない」と語っていたが、朝起きると緊張感に包まれ、「心臓がバクバクした」。降板後も鼓動の高まりはやまなかった。 6回は平田。7回は伊勢が無失点に抑え、8回は山崎が1点を失うが、救援陣がベンチに戻るたびにひとりひとりに声をかけ、そのときを待った。昨年11月1日の阪神戦でも5回1失点の好投を見せて3ー1のスコアで降板したが、その後、試合は一転、二転してチームは勝利したが阪口は勝ち星からは見放されていた。そのトラウマが「フラッシュバックした」という。 9回“守護神“の三嶋は一死二、三塁という一打同点のピンチを迎えていた。菊池、そして西川を打ちとった瞬間、阪口の目からは、自然と涙があふれた。 そして、もう一人、応援タオルが揺れるスタンドの風景を見て目を赤くしていたのが三浦監督だった。 「そうですね…ガラにもなくね。でも泣いていない。雨でしょう。ファンの方々の姿を見たとき、凄くうれしかった。ひとつ勝てた。長かったですね。本当に一つ勝っただけですがチームとって大きな1勝となった」 声が上ずっていた。 「信じて送り出した」 課題の継投策がこの日は狂わなかった。 現役時代から区切りのゲームはいつも雨だった。 3月26日の開幕の巨人戦では、同点に追いつきながら、引き分け寸前で、亀井にサヨナラ本塁打を浴びた。巨人3戦目は8回まで1-0で勝っていたが”8回の男”石田が、元ベイスターズの梶谷に同点打を打たれて引き分け。本拠地開幕となったヤクルト戦でも7回から勝利方程式に入りながら継投ミスで逆転負け。第3戦は、11得点を奪い、最大5点のリードを奪いながら救援陣が崩壊して引き分けに終わった。勝てるゲームを3つも落としての泥沼連敗。「眠れないことはなかったが、熟睡はできなかった」という。 開幕前のセ・リーグ監督座談会で、「胃薬は必要ですか」と他球団の先輩監督に質問した。その胃薬の世話にはならなかったというが、自らを「反骨心の塊」というほど、負けず嫌いの勝負師の苦しかった胸の内は痛いほどわかる。 “番長采配“が面白いように当たった。