料理家の長尾智子がプロデュースする、小石原焼の浅鉢。【今日の逸品】
〈小石原ポタリー〉の浅鉢
カーサ ブルータスの人気企画「10選」シリーズから、こだわりの逸品をジャンルレスに日替わりでご紹介します。 【フォトギャラリーを見る】 日本独自のカレー文化といえば、大正時代に生まれたと言われるカツカレー。民藝のうつわが合うのは当然かも? たとえば、福岡県の小石原地区でつくられてきた「小石原焼」を、料理家の長尾智子がプロデュースした〈小石原ポタリー〉。地元の土が生み出す素朴な風合いと、今の暮らしに合うよう考えられたフォルム、重み、手触りやサイズ感。複数の窯元それぞれの個性があらわれた意匠も魅力的だ。 小石原焼の意匠の特徴は、刷毛目と飛びカンナ。“刷毛目”は化粧土を刷毛で塗り、その塗り跡を模様として生かす技法。“飛びカンナ”は、化粧土の上から金属などで細かく連続した削り目をつける伝統技。スプーンでカレーをすくう時、その微かにザラッとした凹凸が心地いい。そして何より、カツをドーンと豪快にのせても、ちょっとモダンに見えるところがいいのである。 公式サイト
photo_Satoshi Nagare text_Masae Wako styling_Makiko Iwasaki