水原一平氏の「学歴詐称疑惑」に見る“盛る人”の危うさ 理想の自分を目指し、努力して近づいても、かつてのウソで台無しになる
ドジャース・大谷翔平選手の専属通訳だった水原一平氏の違法賭博問題をめぐり、その「学歴」についても、あわせて注目が集まっている。現地メディアの取材に対し、在籍していたとされる大学側が、水原氏の在籍経験がないと明かしたのだ。 「必死に感情抑え」大谷選手会見を心理分析家解説 疑惑の行き着く先は、今後少しずつ明らかになっていくだろうが、SNS上では過去の「学歴詐称騒動」と絡めての反応が相次いでいる。 そこで今回は、筆者が身を置くネットメディア編集業界の視点もまじえて、「理想の自分」を目指すうえでの注意点や、受け止める周囲側が抱える課題について考えてみたい。
■SNS上ではショックの声が続出 水原氏が大リーグ・ドジャースを解雇されたのは2024年3月20日、開幕戦の直後だった。違法賭博への関与が報じられ、最低でも450万ドル(約6億8000億円)がブックメーカーに送金されたと伝えられた。 それから約1週間を経た26日、大谷選手は会見を開き、自身が賭けたり、ブックメーカーへの送金を依頼したりしたことはないと断言。数日前に事態を知ったとして、「僕の口座からお金を盗み、ウソをついていた」と明言した。
大谷選手とともに登場する機会が多かった水原氏は「一平さん」の愛称で、日本国内のファンからも親しまれていた。解雇を受けて、SNS上ではショックを示す声が続出している。 そこに加えて、話題になっているのが「学歴」についてだ。水原氏はカリフォルニア大学リバーサイド校を卒業したとされるが、大学広報担当者が「在籍記録がない」と明かしたと報じられたのだ。 この件は現時点(3月27日)で「疑惑」でしかない。しかしSNS上では、かつて経歴詐称を認めたショーンK(ショーン・マクアードル川上)氏を「思い出した」との反応が相次ぎ、両者を比較する投稿が拡散されつつある。
■思い出される、過去の経歴詐称スキャンダル ショーンK氏の騒動をおさらいしよう。 同氏は「幼少期に来日した日米ハーフの経営コンサルタント」として知られ、在京ラジオ局「J-WAVE」で十数年にわたり番組を持ち、「報道ステーション」や「とくダネ!」といった番組のコメンテーターを務めるなどメディア露出も多く、数週間後からはフジテレビ夜の報道番組で司会も務める――などと順風満帆に思われていた2016年3月、「文春砲」を受けた。