退職金「2000万円」から引かれる税金はどのくらい? 勤続「15年・30年」の手取りを比較
退職金は勤続報償として、勤めて一定期間を過ぎて退職した人が受け取れる手当です。企業や勤続年数、基本手当によって退職金の金額は異なりますが、長く勤めた上で定年時に受け取れる退職金はまとまった額になるため、それを楽しみにしている人も多いでしょう。 しかし、退職金にも税金がかかるため、手取り額は少なくなってしまいます。そこで本記事では、勤続年数が15年または30年で退職金2000万円の場合、一括で受け取るとそれぞれの手取り額はいくらになるのかを解説していきます。 ▼年金が「月10万円」で老後が不安…持ち家で「貯金」と「退職金」があれば大丈夫? 生活費を試算
税金が引かれてしまうが控除もある
退職金も所得となるので、所得税と復興特別所得税が引かれます。もっとも、退職金は報償的な側面を持つ手当であるため、税制面では優遇されているといえるでしょう。具体的には一括で受け取る場合は「退職所得控除」を受けられるほか、他の所得とは別に課税されるといった配慮もあるので、税金の負担は軽減されています。 退職所得控除は勤続年数によって計算式が異なります。勤続年数が20年以下の場合は「40万円×勤続年数」、勤続年数が20年を超える場合は「800万円+70万円×(勤続年数-20年)」です。さらに課税所得金額は、退職所得控除を引いた金額の半分で済みます。 退職金を複数年に分けて受け取る場合は退職所得控除を受けられないので注意してください。
勤続年数15年で退職金が2000万円の場合
勤続年数15年で退職金が2000万円の場合は、勤続年数が20年以下なので「40万円×15年=600万円」の控除が受けられます。そのため、「(2000万円-600万円)÷2=700万円」が課税所得となります。 課税所得が695万円から899万9000円の場合の所得税率は23%で、控除額は63万6000円です。課税所得の700万円に所得税23%をかけ、控除額63万6000円を差し引くと97万4000円となります。2.1%の復興特別所得税2万454円と合計すると99万4454円です。 2000万円から99万4454円を差し引くと、「1900万5546円」が手取り額となります。