【資産総額5億円超】90歳・元開業医の父に相続の相談を持ち掛けたら→「実はな…」「ウソでしょ!」60代の息子2人がドン引きした、まさかの告白
90歳という高齢でクリニックをたたんだ、働き者の医師の父親。母親を亡くし、仕事を離れ、気弱になった父親の姿を見た2人の息子は心配になり、父親に恐る恐る相続の相談を持ち掛けます。ところが、父親からは想定外の告白があり…。相続実務士である曽根惠子氏(株式会社夢相続代表取締役)が、事例をもとに解説します。 年金に頼らず「夫婦で100歳まで生きる」ための貯蓄額
89歳まで現役医師だった父、母を亡くしてめっきり弱り…
今回の相談者は、山田太郎さん、二郎さん(ともに60代)のご兄弟です。90歳の父親の相続対策の件で相談に乗ってほしいと、筆者のもとを訪れました。 太郎さんと二郎さんの父親は、89歳まで現役でクリニックを経営し、診療も行っていましたが、クリニックの事務まわりを一手に引き受けていた、父親と同い年の母親が急死したことをきっかけに、昨年でクリニックを閉院しました。 太郎さんも二郎さんも医師ですが、診療科目が違うため、父親のクリニックは承継せず、それについては家族内で納得しているということでした。 「父は仕事から引退し、いまはクリニックを併設していた都内の自宅に、母がかわいがっていたチワワと暮らしていますが、めっきり弱ってしまって…」 「父の様子を見て、兄と〈そろそろまずいんじゃないか〉と話しまして…」 60代の息子2人が、90歳の父親に恐る恐る相続の話を持ち掛けたところ、逆に父親から、驚愕の告白があったそうなのです。
相続の相談の席で、父「謝らなければいけないことがある…」
「去年急死した母の財産は、2,000万円程度の預金だけでしたので、相続税の申告も不要でした。そのため、父親がひとり、さっさと手続きをすませたのです」 「ですが父親の場合、不動産だけでも、クリニック併設の自宅と、クリニックの向かいにある患者さん用の駐車場、軽井沢の別荘があります。預金額はくわしくわかりませんが、遊びに行く暇もないぐらい多忙でしたから、たぶんかなりの納税が必要なのではないかと…」 山田さんきょうだいは、万一のときの相続税の目安を知るためにも、父親に資産の内訳を教えてもらおうと、話し合いの機会を設けました。 父親は至って普通に、不動産関連の書類や、固定資産税の納税通知書、生命保険の証書、預金通帳などを並べ、2人の息子たちに資産内容の説明をしてくれたそうです。 「資産の総額は5億円を少し超えるぐらい。貯金も生命保険もあり、納税のために我々がお金を持ち出すことはなさそうでした。これは、亡くなった母親が配慮してのことだと思います」 「あの忙しい診察の合間に、ビットコインを買っているのには笑いました」 しかし、ひと通りの説明を終えると、父親は涙を浮かべて下を向いてしまったそうです。 ふたりは、相続の話を持ち掛けたことで父親を傷つけてしまったのかと慌てましたが、父から出た言葉は、意外なものでした。 「2人に、謝らなければいけないことがある…」 太郎さんと二郎さんが思わず顔を見合わせると、父親から衝撃の発言がありました。 「お母さんとは再婚なんだ。お前たちのほかにもう1人、息子がいる…」