なぜ藤浪晋太郎は2カ月で人気者になったのか──現地で聞いた「フジは知的な選手」の背景とは
藤浪人気がさらに爆発しても不思議ではない
こうして快適な職場を見つけた藤浪だが、物語はまだ終わったわけではない。今後、藤浪とオリオールズ、そしてボルティモアの街との結束はさらに固いものになるかもしれない。9年ぶりにア・リーグ東地区の優勝を決めたオリオールズの一員として、藤浪はさらに重要なステージに立つことになる。 「当初はアジャストメントの時間が必要だったけど、藤浪は自信をつけているね。阪神でも大観衆の前で投げていたから、ビッグステージの意味はわかっている。プレーオフでも重要な場面で投げることになるよ」
オリオールズでオールスターに5度選出された元スーパースターであり、オリックスの一員として日本球界も経験したアダム・ジョーンズ氏はそう予言する。その言葉通り、緊張感にあふれたポストシーズン中は、ひりひりするような場面で登板する機会もあるはずだ。そこでチームに貢献できれば――藤浪人気はさらに爆発し、愛され度が大きくアップしても不思議はないだろう。 「ポストシーズンが決まったというだけでもすごいことですけど、これから地区シリーズ、リーグ優勝決定シリーズ、ワールドシリーズと試合が続くので、気を引き締めていい結果を出せるように頑張りたいと思います」 ボルティモアの新たな人気者は、世界一に向けて、こう意気込む。その目標がかなったとき、周囲を盛り上げるのが上手な藤浪が、どんな表情で仲間たちと栄冠を祝うのかが今から楽しみでもある。