大混戦の全日本大学駅伝から見えた箱根駅伝の行方とは…連覇の駒大が本命も有力校の主力級が揃わず勢力図が変わる可能性も
全日本大学駅伝(7日・名古屋市熱田神宮―三重県伊勢市伊勢神宮の8区間106.8km)は首位が6回も入れ替わるスリリングな戦いになった。しかも、最後は駒大と青学大のアンカー決戦。史上最少タイム差となる8秒差で駒大が連覇を果たした。 駒大と青学大は前半区間でもたつき、6区終了時でトップの東京国際大と1分36秒ものビハインドがあった。しかし、両校のエースである田澤廉(3年)と近藤幸太郎(3年)が大逆転を演じて、アンカー勝負に持ち込んだ。 今大会、単独トップに立ったのは駒大、順大、東京国際大、早大。さらに青学大は最終8区で10km弱ほど首位を並走している。優勝した駒大だけでなく、ここに挙げた4校は勝てるチャンスが十分にあった。なぜなら今回は主力選手を欠いた大学が多かったからだ。 2位の青学大は出雲駅伝のアンカーで活躍した横田俊吾(3年)、5月の関東インカレ2部ハーフマラソンを制した西久保遼(3年)を起用できなかった。また前回3区で8人抜きを演じた中村唯翔(3年)を2区に起用して区間14位のブレーキになった。 原晋監督も「勝てるチャンスが幾度となくありましたが、最後は決戦で敗れて残念です。2区間で区間二桁順位があると優勝は難しい。今回の負けは監督の采配ミス。パズルの組み合わせに失敗したかなと思います」と話している。 3位の順大も前回7区を担った吉岡智輝(4年)が9月の日本インカレ10000mで8位に入ったが、故障の影響で外れた。その7区が区間9位。2位から5位まで順位を落としている。 出雲駅伝で初出場・初優勝の快挙を成し遂げた東京国際大は丹所健(3年)が故障の影響で負担の軽い6区にまわり、予定していたオーダーを組むことができなかった。本来なら1区山谷昌也(3年)、2区丹所、4区イェゴン・ヴィンセント(3年)と3本柱を前半区間につぎ込み、スーパーダッシュを企んでいた。 5区で首位に立った早大は10000m27分台の太田直希(4年)と主将・千明龍之佑(4年)の不在が響き、6位に終わった。