息苦しさを感じる…その原因は「ストレス」の可能性も? 症状・対策を公認心理師に聞く
ストレスをためない為にはどうすればいい? ストレスへの対策を公認心理師に聞く
編集部: ストレスをためない為にはどうすればいいですか? 鍋田さん: ストレスが溢れてしまう状態をレッドゾーン、その直前をイエローゾーンとした時に、自身のレッドゾーン・イエローゾーンのサインを把握しておくといいですね。その上でできるだけイエローゾーンのうちに対処し、レッドゾーンにまで入ってしまったらどうするかについて自分の中であらかじめ考えておけるといいと思います。 編集部: ストレスがたまっているサインについても教えてください。 鍋田さん: レッドゾーンやイエローゾーンのサインは人によって違いますが、頭痛や腹痛、泣けてくるなどの身体反応、悲観的になる、怒りっぽくなる、落ち込むなど感情や考え方、出かけなくなる、遊ばなくなるなどの行動があります。また、過食や食欲がなくなる、睡眠障害なども考えられますね。 編集部: ストレスをなくすことはできるのでしょうか? 鍋田さん: ストレスをなくすことは不可能です。仕事での失敗、試験の不合格、死別などはもちろん、天候や気温などの自然現象、結婚や子どもが産まれたことなどもストレスになるからです。ストレスを0にしようという考え方自体が完璧主義、0日100の白黒思考的な考え方で、こうした極端な考え方は心の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。 編集部: では、どのような考え方をするのがいいのですか? 鍋田さん: ストレス学説を提唱したセリエ博士も「ストレスは人生のスパイスである」と述べています。先ほどの自律神経のところでお話したように、不安、緊張といったストレスも過度でなければ生きるうえで役に立つものです。そのため、ストレスを0にするという考えではなく、ストレスとの付き合い方を考える、ストレス対処法を身につけるといった考え方をした方がいいでしょう。 編集部: 心の健康のためにお勧めの生活習慣があれば教えてください。 鍋田さん: まず、よく言われる基本的な生活習慣が心の健康にも効果的です。「栄養のバランスの取れた食事を摂る」「睡眠をしっかり取る」「運動をする習慣をつける」などですね。運動は身体にいいということは知っていると思いますが脳にもいい影響をもたらします。認知機能の改善やうつ病の改善、不眠の改善なども期待でき、心身ともにいいのでお勧めです。 編集部: ほかにはありますか? 鍋田さん: 「マインドフルネスを生活の中で実践していくこと」「学ぶこと」「自分の価値観を考えて価値観に基づき行動していくこと」「自分の思考パターンに気づき対処できるようになること(先ほどお話した完璧主義や白黒思考など)」なども心の健康のためにいいでしょう。また、「しっかりと休むこと」「しっかりと楽しむこと」も当然いいことです。休むことや楽しむことで、心身を回復させることができます。罪悪感を感じずに休む時は休み、楽しむ時は楽しみましょう。