4人の新型コロナ感染者を出した名古屋グランパスが試合再開前に抱える不安とは…「正直、怖さがあった」
ピッチを離れている間は、少しでも感染リスクを軽減させたいからか。リーグ最少失点を誇る名古屋グランパスのセンターバック、中谷進之介は黒いマスクを着けてオンライン取材に臨んだ。 ホームの豊田スタジアムで柏レイソルと対峙する、8月1日の明治安田生命J1リーグ第8節へ向けた30日の非公開練習を終えた直後のひとコマ。この1週間で選手、スタッフから4人の新型コロナウイルス感染者が出た状況に、中谷は一人の人間として偽らざる本音を明かした。 「怖さがあった、というのが正直なところです。ただ、クラブが独自に実施してくれたPCR検査で3度陰性が出たので、自信をもって臨めるというか、その部分に対しての恐れというものはありません。サッカーに集中できる環境を、クラブが作ってくれたことにすごく感謝しています」 24歳の中谷が言及した「その部分」とは、現時点で自身が新型コロナウイルスに感染していないことを意味する。DF宮原和也の新型コロナウイルス感染が発表された25日を境に、グランパスを取り巻く状況は一変。29日までの5日間で3度の大規模なPCR検査が実施されている。 所轄保健所の調査で、チーム内に宮原の濃厚接触者はいないと判断された。しかし、38度の発熱と頭痛を訴え、PCR検査で陽性判定が出る前日の23日まで宮原はチームの練習に参加。リザーブのまま終えたものの、敵地で行われた22日の大分トリニータ戦にも帯同していた。 事態を重く見たグランパスは万全を期すために、25日の練習後に選手とスタッフ60人を対象にPCR検査を実施。早い段階で陰性が確認された選手16人とスタッフ1人をその日のうちに、翌26日に敵地で行われる予定だったサンフレッチェ広島戦へ備えて広島入りさせた。 しかし、今度はMF渡邉柊斗、トップチームスタッフから陽性反応が出た。感染者、そして37.5度以上の発熱が確認された場合だけでなく、新型コロナウイルス感染者の濃厚接触者と認定された場合も直近の試合、グランパスの場合はサンフレッチェ戦へエントリーできない。