コーヒーも飲み過ぎには注意 脳卒中のリスクを上げる可能性
1日5杯以上になると、脳卒中のリスクは37%上昇
必要な情報がそろっていた、ケース1万3462人とコントロール1万3488人を分析対象としました。平均年齢は61.7歳で、59.6%が男性でした。最も多かったのが中国人で、続いて南アジアの国(インドとパキスタン)の人たちでした。 全体では19.4%の人が茶もコーヒーも摂取しておらず、47.0%は茶のみ、14.9%はコーヒーのみ、18.6%は茶とコーヒーの両方を飲んでいました。それぞれの割合は地域ごとに異なっていました。 1日あたりのコーヒーまたは茶の摂取量は、1杯を250mLとして「摂取なし、1~2杯、3~4杯、5杯以上」に分類しました。結果に影響を及ぼす可能性がある要因(年齢、人種と民族、学歴、職業、BMI、運動習慣、飲酒習慣、喫煙習慣、食習慣、慢性疾患、全般的なストレスなど)を考慮して分析したところ、1日に1~2杯、および3~4杯のコーヒーの摂取は脳卒中と関係していませんでした。しかし1日5杯以上になると、脳卒中のオッズ比は1.37と統計学的に有意な上昇を示しました。脳卒中のうち、脳梗塞などの虚血性脳卒中のオッズ比も1.32で有意差が見られましたが、脳出血との関係は有意になりませんでした(表1)。 一方お茶は、摂取量にかかわらず1杯以上の摂取があらゆる脳卒中と虚血性脳卒中のオッズ比の有意な低下と関係していました。紅茶、緑茶、その他の茶に分けて検討したところ、摂取量と脳卒中の関係の一部に違いが見られました。 コーヒー1日5杯以上は、1.25リットル以上に相当します。今回得られた結果は、コーヒーの大量摂取は控え、一部を紅茶や緑茶に置き換えたほうがよいことを示唆していると言えそうです。 *1 Smyth A, et al. Int J Stroke. 2024 Jul 31:17474930241264685. (大西淳子=医学ジャーナリスト)