コーヒーも飲み過ぎには注意 脳卒中のリスクを上げる可能性
1日にマグカップ5杯以上に相当する大量のコーヒーを飲み続けると、脳卒中の発症リスクを高める可能性があることが、世界32カ国の人たちのデータの分析で明らかになりました。お茶(緑茶、紅茶など)の大量摂取者にはそうした傾向は見られず、逆に、適度な摂取が脳卒中予防に役立つ可能性が示唆されました。 【関連画像】表1 コーヒー、茶の1日あたりの摂取量と脳卒中の関係 ●コーヒーは体に良いが、含まれているカフェインは血圧を上げる コーヒー豆やお茶の葉に含まれるポリフェノールは動脈硬化の予防などに役立つことが示されており、これまでに行われた研究では、コーヒーが死亡や糖尿病、心血管疾患(心筋梗塞や脳卒中など)、肝臓がんなどのリスク低下に関係していることが明らかになっています。 一方で、コーヒーとお茶の両方に含まれているカフェインは血圧を上昇させる作用を持ち、心血管疾患のリスクに何らかの影響を及ぼす可能性が高いと考えられています。 そこでカナダ・McMaster University and Hamilton Health SciencesのAndrew Smyth氏らは、民族や地理的条件、生活スタイルなどが異なるさまざまな国の人たちを対象に、コーヒーならびにお茶の摂取と脳卒中のリスクの関係を分析することにしました。 対象にしたのは、世界32カ国で行われた脳卒中に関する大規模観察研究、「INTERSTROKE」の参加者たちです。INTERSTROKEは、2007年3月から 2015年7月までの期間に、東西ヨーロッパ、中央ヨーロッパおよび中東、中国、北アメリカ、南アメリカ、東南アジア、南アジア、アフリカの国々の人たちを対象に行われました。日本は含まれていませんでした。 INTERSTROKEでは、初めて脳卒中を発症した患者を「ケース」とし、それぞれの「ケ-ス」と年齢、性別、居住地域または受診していた病院が一致する、脳卒中にかかっていない人を「コントロール」として登録していました。これらの人たちについて、「ケース」が脳卒中を発症する前の緑茶、紅茶、その他のお茶とコーヒーの1日の摂取量の情報を収集しました。