864馬力のV12をマニュアルで乗る贅沢「パガーニ ユートピア」は99台限定、4億円オーバーでも即完売のわけ
パガーニの常として、ギアボックスのメカニズムは公開されている。私はアルベルトが7速マニュアルトランスミッションのギアをオープンシフトゲートでソートするのを興味深く見ていた。ギアチェンジのたびに「カチッ」という見事な音がする。 私が小さな感動に浸っていると、アルベルトは料金所の前で突然車を停め、新開発のバタフライドアを開けて、今度は私の番だと得意のイタリア英語で告げる。 数km走った後のこの変化は、もう興奮さえ覚えないほどの驚きだった。ほとんどトランス状態のように、私は「ユートピア」のステアリングを握った。シートとミラーの調整に必要な時間はほんの数秒だが、それだけでパガーニの周りには大勢のカーファンが集まってくる。今日は普通の日ではない。
ユートピアは正味260万ユーロ(約4億4,720万円)もする
クラッチペダルを踏み、1速ギア(左下)を入れる。「ポルシェ カレラGT」のような、噛み付くようなクラッチフィールを期待するのは間違いだ。クラッチは細かくコントロールでき、「ユートピア」はスムーズに発進する。アウトストラーダでの最初の数kmは、ほとんど地味だ。熱狂的なイタリア人が数秒おきに我々(というよりクルマ)の写真を撮らなければ、260万ユーロ(約4億4,720万円)もするハイパーカーに乗っていることを忘れてしまいそうだった。これは、比較的快適なセットアップのせいでもある。「コンフォート」モードでは、21/22インチの巨大なホイールにもかかわらず、アダプティブダンパーが路面の段差を驚くほどよく吸収する。
高速道路を走ると、「ユートピア」は数km走っただけで、シャシーが硬すぎたり、インテリアの音が(大きすぎたりして)イライラするようなことは決してないことがわかる。先代モデルと同様、「ユートピア」はオーナーが長距離移動にも使えるクルマであることを意図している。その莫大な価値ゆえに、ほとんどのパガーニ車はその生涯の大半を、他の逸品とともにエアコンの効いたガレージで過ごす。しかし例外もある。ファクトリーでは、最近10万kmの大台を突破した「ウライア ロードスター」のヨーロッパの顧客の話を誇らしげに聞かされた。そのとき受けるはずだった点検は、その名誉を称えて無料となったとのこと。 アルベルトは「パガーニ ユートピア」のステアリングを握り、およそ5万kmを走破した。開発はレーストラックで始まり、公道へと移された。注目すべきは、オラシオ パガーニが変更やカスタマイズのたびに相談を受けることだ。彼は常に、ニューモデルを運転する最初で最後の人物なのだ、とアルベルトは説明する。
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