更年期、気づいたら高血圧!?~原因と漢方的改善法~
更年期やアフター更年期に、気づいたら血圧が高くなっていたという方が増える。漢方薬剤師の樫出恒代さんによると、原因は女性ホルモンの減少や自律神経の乱れなど。漢方的には〈瘀血〉や〈気滞・気虚〉を取り除くことが大切。対応する漢方薬、釣藤散(ちょうとうさん)・大柴胡湯(だいさいことう)など6種を解説してもらった。
更年期やアフター更年期に、高血圧のお悩みが増えてくる。その原因は?
漢方カウンセリングにいらっしゃる方の相談では、人間ドックなどで久しぶりに血圧を測って、「え!?ずっと低血圧だったのに」「こんな高い数字初めて見た…」「血圧、高くなってきたんです」など、更年期、アフター更年期に高血圧のお悩みが多くなってくるそう。 《更年期に高血圧になりやすい理由》 更年期になると高血圧になりやすい。そのわけは以下の3つ。 ①女性ホルモン減少 女性ホルモンが減少することで、ホルモンのバランスが乱れ、自律神経のバランスも乱れてくる。女性ホルモンは交感神経の活動を抑制し、副交感神経の活動を促進するはたらきがあることから、女性ホルモンが減少することで、交感神経が優位になりやすくそのため、血圧も高くなりやすい。 ②自律神経のバランスの乱れ 〈気〉のめぐりが乱れやすくなり、ストレスもたまりやすくなる。そのため、眠りが浅くなったり考えすぎることなどで、〈気〉が上昇しやすく、血圧も上がりやすい。 ③血の流れ、血管の老化 女性ホルモンは血管を柔軟にする働きもあるため、女性ホルモンの低下は血液・血管にも影響がある。血管は硬くなり、血流も悪化して、漢方的に〈瘀血〉になりやすく、血圧も上昇しやすくなる。
高血圧に気づかず大きな病気を引き起こすことも
「実は私も更年期になったとき、ずっと低血圧だったのに血圧が上がってきたのです。『あー、年をとったなぁー』となんだか悲しくなったものです。 血圧が上昇することで、頭痛やめまいなどの症状がでることもあります。でも、全く症状が出ないことも多いのです。私も症状はなかったです。ずっと血圧は低いから問題ないと思っていた、と全く測ってないという方もいますよね。 血圧が高いことで動脈硬化がすすみやすく、脳出血・脳梗塞・心臓疾患などを起こしやすくなる。これを防ぐためにも、自分の血圧の値は知っておくこと。そして防ぐことも大事です」(樫出さん)