実は豪雨、台風、落雷にも対応可能! 元が取れる「火災保険フル活用術」
「あのときは増水した多摩川から泥水が下水道管を逆流して、駅周辺を水浸しにしましたよね。こうした内水氾濫によって低層階が床上浸水したり、低層階でなくても逆流する下水で室内が汚水まみれになったりする被害が実際に起きているわけですから、目先の火災保険料をケチるのは、やはりリスキーといえるでしょう」 火災保険のいいところは、利用しても自動車保険のように翌年の保険料が上がるわけではない点だ。だからこそ、自分が加入している保険の契約内容をしっかりと理解し、使わない特約は外し、使えるものはどんどん使うことが、値上がり続ける火災保険への最大の対策といえるだろう。 そして最後に、清水氏からこんな警鐘も――。 「そうした火災保険の仕組みにつけ込んだ詐欺行為が横行しているので注意してください。『建物のどこそこが傷んでいますが、保険で直せるのでどうですか』と営業をかけてきて、保険金の何割かを持っていくやり口ですね。 結局、保険金は下りても残金で修繕費が賄えなかったり、あるいは屋根に上って自ら一部を壊し、修繕費をかすめ取ったりするパターンも報告されています」 実際、国民生活センターのホームページには、こうした事例が山ほど掲載されており、逮捕者も多数出ているという。災害ではなく人災であることが確定すれば、屋根は壊されているのに保険金が下りない可能性ももちろんある。これでは大損だ。 十分に注意しながら、正しい火災保険の活用を心得てほしい! 取材・文/友清 哲 写真/時事通信社 イラスト/渡辺貴博