なでしこJ、打倒イングランドに3つの鍵
女子W杯連覇へ「マジック2」とした、なでしこジャパンは日本時間2日午前8時から、決勝進出をかけてイングランドとの準決勝に臨む。 過去の対戦成績は、日本の2分け2敗。なでしこが頂点に立った4年前のドイツ大会ではグループリーグ最終戦で対戦し、唯一、0対2の完敗を喫している。 戦術は単純明快なフィジカルサッカー。屈強な体格を生かした力強い守備でボールを奪い、前線へロングボールを蹴り込んでチャンスを作り出す。4年前も前半15分に一本の縦パスから先制を許し、乱されたリズムを修正できないまま後半にも失点を重ねた。 フィジカルで劣る日本が苦手としてきた戦法を十八番とする天敵となるが、日本女子代表の初代専任監督で、現在は解説者を務める鈴木良平氏は「負ける要素はほぼない」となでしこの勝利を断言する。 「オーストラリア戦で見せたサッカーができれば、まず問題はない。ロングボールのターゲットとなるワントップのジョディ・テイラーが個人技で勝負するか、こぼれ球を2列目の左サイドにいるカレン・カーニーが拾って仕掛けてくる攻撃パターンしかなく、そこに怖さはないし、いまのなでしこは対策を講じられるレベルにある。岩清水梓と熊谷紗希で組むなでしこのセンターバックの安定ぶり、グループリーグよりも格段にチーム全体のコンディションが上がってきた点を考えれば、なでしこに不安要素は見当たらないといっていい」 ならば縦に速いイングランドの攻撃を封じ、その上でゴールを奪って勝利するにはどうしたらいいのか。鈴木氏は3つのポイントを挙げる。 【ポイント 1 オーストラリア戦と同じ先発メンバーで臨む】 なでしこの佐々木則夫監督はグループリーグ3試合で招集した23人全員を起用したが、決勝トーナメントでは2試合続けて同じ先発メンバーで臨んでいる。 GK海堀あゆみ、左サイドバック鮫島彩、右MF川澄奈穂美、2トップの一角には大野忍と前回の優勝を知るメンバーを戻した。鈴木氏は「ボランチに宇津木瑠美を固定できたことで、攻守両面で安定度が増した」と指摘する。