飲酒は血糖値を上げる? 下げる? 血糖値を乱高下させないお酒の楽しみ方【40代、50代は血糖値に要注意④】
健康面で何かとよくないイメージがあるお酒。では、血糖値という観点からはどうなのだろう? かつて、お酒で血糖値が上がることは専門家の間でも常識とされていたようだ。血糖値の乱高下や血糖値スパイクを予防しつつ、お酒を楽しむ秘訣を糖尿病内科医の山村聡さんに伺った。
糖質量が多ければ多いほど、血糖値が上がるのが原則だが…
血糖値スパイクや乱高下は防ぎたい。でも、人づき合いにお酒は欠かせないし、飲むのを我慢するなんて無理! お酒好きな人にとって、飲んだときの血糖値の推移は気になるところだ。 「お酒は、発酵したものをそのまま飲む『醸造酒(日本酒、ワイン、ビール)』と、それらを蒸留して造る『蒸留酒(ウイスキー、焼酎、ジン、ウォッカなど)』に分かれます。血糖値を上げる唯一の栄養素は糖質ですが、醸造酒のほうが糖質が高い。例えば、日本酒は糖質が高め。ただ同じ醸造酒でも、赤ワインは糖質が低いものが多いし、白ワインはものによっては糖質が高いものも。スパークリングワインは、辛口でも他のワインよりは糖質が高めなので注意が必要ですよ。 一方、蒸留酒は糖質ゼロ。お酒を割る飲み物に糖質が入っていなければ基本的に糖質はゼロのままです。ウイスキーを無糖のソーダで割っただけのハイボールなどで、血糖値が上がることはないということになります」 そう教えてくれたのは、糖尿病の専門家、「やさしい内科医」こと山村聡先生だ。YouTubeでの体を張った血糖値実験が人気で、お酒に関しても、自ら飲みながら血糖値の変動をレポートして評判になっている。
意外!? お酒を飲みながらの食事は、血糖値が上がりにくい!
さて、今回の企画ではOurAge世代の6名が2週間、血糖値をモニタリング(*1)。点ではなく線で血糖値の変動をチェックした。 *1:自動的に血糖値(正確には間質液中のグルコース値)を測ってくれる「FreeStyleリブレ2」を装着。 モニターのうち、お酒を日常的によく飲む人の血糖値の変動を見てみよう。
まず、モニターTさんのある日。
19時頃に夕食。お酒は白ワイン2杯とともにポークグリル、大根サラダ、豆乳スープを食べたが、血糖値はあまり変動がない(グラフ[A])。 さらに夕食後に赤ワイン1杯を飲みつつチョコエクレアを食べたのに、血糖値はしばらくしてガクッと降下。糖質高めのエクレアを食べても上がらなかったのだ。