招集あるぞ! A代表に呼ばれそうなU-23日本代表の6人。パリ五輪を経て…。先輩たちに続くのは?
SB:大畑歩夢 生年月日:2001年4月27日 所属クラブ:浦和レッズ パリ五輪で自身の株をさらに上げた大畑歩夢は、この先A代表に名を連ねる存在になるかもしれない。 所属先の浦和レッズでも同じポジションを務めるこの左サイドバック(SB)は、今大会3試合に先発出場しており、大会初戦となったU-23パラグアイ代表戦(5-0)では見事な裏抜けから三戸舜介の先制弾をアシスト。チームのスタートダッシュを成功に導いた。 今大会で特に際立ったのは、大畑の守備の部分である。豊富な運動量で積極的な攻撃参加もできる選手だが、守備にも不安が無い。サイドで相手選手と対峙した時の状況判断に間違いがなかった。 それはデータにも表れており、パリ五輪では1試合あたりのデュエル勝利数が4回を記録。勝率は60%と、高い数字を記録した(データサイト『SofaScore』参照)。日本はグループリーグを無失点でくぐり抜けたが、そこには左サイドで粘り強い守備を見せていた大畑が大きな貢献を見せていたと言える。 現状、A代表の左SBを務めることが多い伊藤洋輝は、センターバック型のSBであり、サイドで積極的に上下動するクラシカルなSBではない。純粋なSBという意味では、右と比べて左は長く人材難であることを考えると、AFC U23アジアカップ、パリ五輪と安定したパフォーマンスを披露してきた大畑がポジション争いに加わっても不思議では無いだろう。浦和でも定位置を掴んでおり、今後の活躍が楽しみな選手だ。
MF:藤田譲瑠チマ 生年月日:2002年2月16日 所属クラブ:シント=トロイデンVV(ベルギー) 藤田譲瑠チマはやはり別格だ。サポーターはパリ五輪でそう再認識させられた。 ベルギーで戦う22歳は、今大会のグループリーグから決勝トーナメント1回戦まで4試合すべてに出場した。そのうち既に決勝トーナメント進出が決定していたU-23イスラエル代表戦以外の3試合はフル出場を果たしている。 その出場状況からも分かる通り、藤田はパリ五輪に臨んだU-23日本代表に不可欠な戦力だ。今大会では持ち味であるボール奪取能力を存分に発揮してフィルター役として機能するだけでなく、攻撃への貢献も光った。鋭い縦パスで攻撃の起点を作った場面や3列目からドリブルで持ち上がって好機を演出した場面が見られ、藤田がピッチにいるといないとでは全く違うゲームになるほど、その存在感は圧倒的だ。 改めて攻守のバランスの良いMFであることを示した同選手には、この先のA代表入りを期待したい。現状は遠藤航と守田英正が頭ひとつ抜けているように見えるA代表のボランチには、田中碧や鎌田大地などもいるため選手層は決して薄くはないが、彼らを脅かす存在として藤田は台頭できるだろうか。 所属するシント=トロイデンVVでは昨季リーグ戦25試合に出場したが、先発は12試合に留まった。今季はさらに先発出場の数を増やして、A代表招集へ向けたアピールをしていきたいところだ。