【バレー】「大会本番のあとで社会がどう変わるのか、に期待」 デフバレーボール女子日本代表が東京2025デフリンピック開幕1年前イベントで躍動
代表メンバーがフィッシャーズと対決
耳が聞こえないアスリートのための国際的な総合スポーツ大会、デフリンピックが2025年に東京で開催される。日本で初めてとなる、この大会の開幕を1年後に控えた11月15日(金)、16日(土)に「東京2025デフリンピック1 Year To Go!」というイベントが都内のショッピングモールで開催され、大勢の来場者が2日間にわたって多彩なプログラムを楽しんだ。 【次ページ】「東京2025デフリンピック1 Year To Go!」その他の写真 イベント初日のセレモニーでは、デフアスリートや応援アンバサダーが登壇するなか、小中高生による投票で決定した大会のメダルデザインを発表。デフアスリートへの「新しい応援スタイル」も提案された。そして迎えた翌土曜日には、「“世界一”に挑め! フィッシャーズvs.デフバレー日本代表!!」と題して、人気動画クリエイターのフィッシャーズとともに、6月の世界選手権で優勝したデフバレーボール女子日本代表の中田美緒と長谷山優美がステージに登場。2種類の「対決」を行った。 最初の種目はレシーブ対決。事前にデフバレーボール女子日本代表の練習に参加していたフィッシャーズも健闘を見せたが、ここは危なげなくデフバレーチームが勝利した。次の種目は、示されたお題を一人がジェスチャーで表現し、もう一人は「何を表現しているか」を当てるコミュニケーション対決。6問中、自信満々のフィッシャーズは5問正解! さて、デフバレーチームは? なんと全問正解で、見事勝利。“世界一”の面目を保った…、そんな結末でステージは幕を閉じた。
言葉によらないコミュニケーションの力
初日も会場に来ていたというミドルブロッカーの長谷山は、ステージを終えて「無事勝つことができて、安堵しています」と笑顔。「大盛況でしたね。来ていただいた方は、ほとんどがフィッシャーズを見たかったのだと思いますが、デフリンピックがある、そしてデフバレー選手がいるということを知ってもらえた、いい機会になったと思います」と収穫を語る。セッターの中田も、有意義な機会だったと話しつつ「今回は目を使う、聴覚障害者のコミュニケーションを実際に見てもらうことができました。試合のときとまた異なり、このようなイベントを通して『こういった表現力があるんだ』『聞こえないだけではなくて、そういう人もいるんだ』といったことを知ってもらえたと思います」と、イベントを振り返っていた。 その「表現力」が特に発揮されたのはジェスチャー問題の場面だった。ジェスチャーを担当した中田が「ろう者はふだんから表情を使ってコミュニケーションをとるため、(全問)正解できてほっとしています。でも一度、手話を使ってしまいました(笑)」と話せば、彼女を見て回答した長谷山は「中田選手がうまかったので、見てすぐわかりました。想像力も発揮できました」とのこと。フィッシャーズの面々も、ハイレベルな「伝える力」を目の当たりにして感銘を受けた様子だった。