巨人大物OBが日本Sリベンジ挑む原監督に激辛ゲキ!「私が巨人がソフトバンクに歯が立たないと考える理由」
そして、広岡氏は、こう続けた。 「巨人が勝てるとすれば菅野だけ。2戦目、3戦目の先発投手の名前がすっと出てこない。初戦で菅野が負ければ、また4連敗もありえる。一方のソフトバンクは若い投手がどんどん出てきている。ブルペンも含め投手力が違う。クライマックスシリーズでは2試合ともにロッテに逆転勝利。粘り強さと共にポストシーズンの野球の経験値の差も見せた。試合勘という意味でも直前までCSを戦ってきたソフトバンクが有利だろう」 巨人は第1戦にエースの菅野、第2戦には、今季5勝2敗、防御率3.16の今村信貴、福岡に場所を移してからは8勝4敗、防御率3.08のサンチェス、新人王候補の戸郷翔征、4勝4敗、防御率2.88の畠世周を投入する予定。一方のソフトバンクは菅野にエースの千賀をぶつける。第2戦に予定していた東浜巨は右肩のアクシデントで登録を外れたが、最多勝の石川柊太、CSの第3戦で先発予定だった今季8勝1敗、防御率2.94のベテラン左腕、和田毅、6勝3敗、防御率.2.65のムーアと、防御率2点台の先発が4人もいて、東浜の代役にはバンデンハークを緊急昇格させた。 ブルペン陣も巨人はセットアッパーの中川皓太が脇腹痛の離脱からようやく間に合ったという状況で、今季17セーブのデラロサも絶対的な守護神ではない。一方のソフトバンクは、モイネロ、森唯斗の後ろの2枚は鉄壁だ。
さらに広岡氏は、「キャッチャーの力が違う。今年のソフトバンクを引っ張ったのは甲斐だ。盗塁阻止は言うまでもなく必死に取り組む姿勢を見せ、若い投手陣を正しいリードで引っ張り、信頼が厚い。巨人は、大城を使うのだろうが、打力優先の起用で、フィールド内のリーダーにはなり得ない。この差が短期決戦では如実に出るだろう」と捕手力の違いを指摘した。 甲斐拓也はロッテとのCSの初戦でも巧みなリードで千賀の粘投を引き出し、決勝のタイムリー内野安打を放ってヒーローになった。“甲斐キャノン”は、巨人の最終兵器である増田大輝の足を封じ込めるだろう。一方の巨人の捕手は大城卓三が主戦で場合によってはベテランの炭谷銀仁朗を使うだろうが、ソフトバンクの周東佑京の足に引っ掻き回されるかもしれない。 ソフトバンクのリーグ優勝は10月27日。一方の巨人の優勝は3日後の10月30日だった。マジックを先に点灯したのは巨人だったが、ゴール寸前に5連敗するなど足踏みし、対照的に12連勝の猛チャージをかけたソフトバンクに先を越された。 広岡氏は、そこに巨人の“甘さ”が秘められているという。 「シーズン終盤の戦い方を見てみなさい。ソフトバンクは一気に決めた。対して巨人はマジックを出しながらも足踏みした。ここに差がある。優勝を前にした連敗の理由は、コーチに知恵がなく、本当のチームリーダーがチームにいなかったということ。つまり、そこが他所から選手を取って勝っているチームの持つ弱さだ。本来なら坂本が引っ張らねばならないが、目立ったのは広島から来た丸だった。ずっと声を大にしているが、生え抜きを育てて勝たなければ、原に優勝監督としての評価はない」 2年連続のリーグ優勝を遂げた巨人のチーム防御率、得点、本塁打、盗塁はいずれもリーグトップだ。原監督は“GM監督”として積極的にシーズン中のトレードを仕掛け、楽天から加入した高梨雄平、ウィーラーらが活躍、“投手増田”など数々の戦術も繰り出した。だが、広岡氏は、丸佳浩や炭谷、中島宏之らの資金力にモノを言わせた補強が気にいらない。