なぜソフトバンクはCS初戦で逆転勝利したのか…ロッテが守れなかった2つの短期決戦鉄則
パ・リーグのクライマックスシリーズ第1戦が14日、PayPayドームで行われソフトバンクが4-3で逆転勝利した。ロッテが2回の安田の2ランで先行、追加点も奪ったがソフトバンクは6回に井上のエラーをきっかけに同点に追いつくと、8回二死満塁から甲斐がラッキーな勝ち越しのタイムリー内野安打を決めて逃げ切った。紙一重の勝負を分けたのは、短期決戦の鉄則を守れなかったロッテのミス。4試合3戦先勝で1勝のアドバンテージのあるソフトバンクは、今日15日の第2戦で勝利、あるいは引き分けで日本シリーズ進出を果たす。
ロッテが先に動いた6回に流れが変わる
紙一重の決戦の帰趨を決めたのは、守られなかった短期決戦の鉄則である。 「ミスした方が負ける」、「先に動いた方が負ける」…新型コロナ禍での1位と2位による特別なCSの初戦は、まさに“プロ野球短期決戦あるある“にあてはまるような展開になった。 「興奮しています。やはりCSは特別だと改めて感じました」 激戦を示すかのように試合後のソフトバンクの工藤監督の顔は紅潮していた。 序盤はロッテが主導権を握った。先発の美馬は、立ち上がりに一死満塁のピンチを作ったが栗原をショートゴロ併殺打に打ち取ると、2回二死一塁から、7番で起用された安田が、ソフトバンクの先発、千賀のフォークのスッポ抜けを見逃さない。ライトのホームランテラス席後方フェンスにぶつける2ランで先制した。ソフトバンクも4回に柳田が、難しい低めのカットボールをバックスクリーンに放り込んで1点差につめよるが、ロッテは、5回に一死三塁から荻野がインハイに投じられた逆球を強引に引っ張って追加点。ソフトバンクは、その裏、無死一、二塁から甲斐がスリーバントに失敗するなど、流れはロッテだった。 レギュラーシーズンの序盤にロッテは引き分けを挟んでの5連勝、4連勝とソフトバンクを圧倒、16試合で11勝4敗1分けと大きく勝ち越していた。昨年もソフトバンクが唯一負け越したのがロッテであり、その相性の良さは短期決戦でも継続しているかのように見えた。 だが、6回に、その潮目が変わる。