イスラエル、ヒズボラと停戦の可能性…きょう治安閣議
【エルサレム=梁田真樹子】イスラエルの主要メディアは25日、ベンヤミン・ネタニヤフ首相が、レバノンを拠点とするイスラム教シーア派組織ヒズボラとの停戦の是非を判断するため、26日に治安閣議を開催すると一斉に報じた。米国による停戦案の受諾を決定する可能性が高い。 【写真】女性記者は防弾チョッキを着用していたが…頭部に銃撃受け死亡
ロイター通信などは複数のレバノン政府高官の説明として、バイデン米大統領が26日、フランスのマクロン大統領とともに停戦合意を発表する見通しだと伝えている。米国のジョン・カービー大統領補佐官は25日、記者団に「停戦合意は近い」と述べ、交渉が大詰めを迎えているとの認識を示した。
停戦案は戦闘を60日間停止して、イスラエル軍がレバノン南部から、ヒズボラがレバノン南部リタニ川以北へそれぞれ撤退し、停戦を監視する米国主導の委員会も設置する内容とされる。
米ニュースサイト・アクシオスは停戦合意後もレバノン領内からの「差し迫った脅威」を確認した場合、イスラエル軍が軍事行動をとることを米国が認めたと報じた。レバノン軍が脅威に対処しないことや、米国との事前協議が条件という。
ヒズボラは「レバノンの主権を侵害する条件は認めない」としていたが、ロイター通信によると、レバノン国会副議長は停戦の履行に「深刻な障害はない」との認識を示した。フランスはレバノンの旧宗主国で9月にも、米国と21日間の停戦を呼びかけていた。
停戦合意の可能性が報じられる中、イスラエル軍は25日もレバノン南部を中心に攻撃し、レバノン保健省によると、31人が死亡した。