F1合同テスト走行で見えた2020年シーズンの可能性…レッドブル・ホンダは29年ぶりの王座奪還を果たせるのか?
2020年シーズン開幕に向けて、F1全チームが集った合同テストが2月19日から3日間、スペイン・バルセロナにあるカタロニア・サーキットで行われた。 3日目で最速のタイムを記録したのはメルセデスのバルテリ・ボッタス。午前中に走行を担当したボッタスは65周を走行し、ピレリの最も軟らかいC5タイヤで1分15秒732をマーク。自身が持つ昨年のスペインGPで記録したコースレコードに0.326秒差に迫った。チームメートのルイス・ハミルトンもボッタスから0.784秒差の総合2番手タイムにつけ、メルセデスが今年もいきなりライバルたちを圧倒した。 一方、そのメルセデスを追うレッドブル・ホンダは、マックス・フェルスタッペンが21人中、総合9位、チームメートのアレクサンダー・アルボンは同13位だった。 だが、レッドブル・ホンダ陣営に焦りはない。昨年、ホンダとともに3勝を挙げたフェルスタッペンは笑顔で3日間のテストを次のように振り返った。 「テストではやるべきことをすべて行うことができた。それが僕たちがこのテストで望んでいたこと。マシンが昨年よりも改善されて安定していることが確認できたのは良かった」 この時期のテストで記録されたタイムというのは、必ずしもマシンの性能を正確に反映したものとはなっていない。なぜなら、ベストタイムを出したタイミングと状況がドライバーによって異なっているからだ。メルセデスの2人のタイムはテストに持ち込まれたタイヤのうち、コンパウンド(ゴム)が最も軟らかいC5での記録だったのに対して、レッドブル・ホンダはフェルスタッペンが3番目に軟らかいC3で、アルボンは4番目に軟らかいC2だった。 さらにメルセデスの2人のタイムは、ともにニュータイヤで1周だけのタイムアタックで叩き出したのに対して、レッドブル・ホンダの2人はロングラン中に記録されたタイム。ベストタイムだけでは単純な比較はできない。 フェルスタッペンは「いまはまだタイムは気にしていない」と言い、こう続けた。 「勝つためには、まずは自分たちのマシンをしっかりと理解する必要がある。そのためには条件をあまり変えずに、できる限りたくさん走り込まなければならない。それによって何が機能していて、何を変える必要があるかが見えてくるんだ」