F1合同テスト走行で見えた2020年シーズンの可能性…レッドブル・ホンダは29年ぶりの王座奪還を果たせるのか?
F1は全チームが独自にマシンを開発・製造しており、新車を製造した後も、シーズン中に新しいパーツを開発し、1戦ごとに改良していく。かつてはシーズン中もテストが自由に行われ、新しいパーツはテストで試しながら、良かったものを実戦に投入できたが、今年はシーズン中のテストが禁止されているため、この開幕前のテストが最初で最後となる。つまり、ここで新車の性能をしっかりと把握しておかないと、これから1年を通してマシンを開発していくこともできなくなる。 「マシンの各所がきちんと機能しているか、確認しながらテストをしているんだ。まだ学ばなければならないことは多くあるけど、1週目終了時点としては満足の出来。いいテストになった」 それは、レッドブルの車体だけでなく、ホンダのパワーユニットも同様だ。 「ホンダのパワーユニットもスムーズで、いい感じだ。それがいまは一番大切なこと。それにホンダは昨年から約束したことは、常に果たしてきた。僕は彼らの仕事の進め方を信じている」(フェルスタッペン) 3日間のテストでは、ドライバーのミスによるクラッシュやマシントラブル、パワーユニットのトラブルが何度か発生し、コース上で走行を止めてしまうシーンがあった。それはトップタイムをマークしたメルセデスですら、あった。 しかし、ホンダがパワーユニットを供給しているレッドブルとアルファタウリ(昨年までのトロロッソ。今年からチーム名を改称)は3日間、コース上で走行をストップさせることはなかった。 ホンダの田辺豊治F1テクニカルディレクターはこう言って、2020年最初のテストを総括した。 「基本的な部分での問題をいっさい発生させることなく、チームのプログラムを順調にこなし、1回目のテストを終了することができました。ホンダとしては、まだまだやることはありますが、かなりの周回を走行したことで多くのデータを得られたので、とても実りのある3日間でした」