【年金密着】「年寄りも甘えたらあかん」年金は月6万円、家賃は月7万円 熟年離婚を経て、今はアルバイトで支える苦しい日々…それでも「僕は幸せです!」と終始笑顔のワケ
次に見せてくれたのは、ケースに入れられた三味線。 (伊藤さん) 「これは三味線。三味線の師匠がいるんですけど、『もう使わない』って僕にくれたんです」 Q.じゃあ弾けるんですか? (伊藤さん) 「今、勉強中。“七十の手習い”、ははははっ(笑)」
昔から愛用している衣類に加え、大好きな骨董品や衝動買いによる品々が次第に増えていき、気付けば部屋を埋め尽くす事態に…。現在も、部屋の物は増え続けているといいます。 Q.大掃除しようという気は…? (伊藤さん) 「気は、あるんですよ。一生懸命、時間をかけて探した物やから、マニアでも何でも良いんだけど、品物の良さがわかる人やったら、僕はタダであげてもいいと思っている」
若い頃は年金のことなど考えず、結婚後は懸命に家族を支えたものの、まさかの熟年離婚…収入ダウンで厳しい生活も「僕は幸せです!」と言い切れるワケ
18歳で上京し、バーテンダーなど夜の街で働いていた伊藤さん。当時は、年金のことなど考えておらず、保険料を支払っていなかったといいます。 生活が変わったのは、30歳の頃。年の離れた女性と結婚し、義理の父が経営する会社で、営業マンとして働けることに。その頃から年金の保険料を納め始め、約30年間、懸命に家族を支えてきました。 しかし、10年前…。
定年を目前に、長年連れ添った妻と離婚。その後、会社も退職することとなり、月の収入は年金(約6万円)とアルバイト代(約10万円)の十数万円ほどに。家賃や食費・生活費に充てると、手元にはほとんど残らないといいます。
(伊藤さん) 「欲を言えばキリがないですよ、お金も健康も。でも今のところは、欲を別にして、全然ストレスはない。悟りを開いているわけじゃないけどね、僕は幸せです!」 苦しい生活の中でも“好きなものに囲まれる幸せ”を実感し、終始笑顔の伊藤さんです。
「年寄りも甘えたらあかんわ」不用品は売り、無理のない範囲で働き、喫茶店の“モーニング”で至福の時を過ごす…ささやかな幸せと共に前向きに生きる伊藤さん
この日、向かったのは、行きつけのリサイクルショップ。少しでも生活の足しになればと、部屋にあった物を売りに来ました。
(伊藤さん) 「ジューサー。こういう家庭用品は、もう用がないから(笑)」 売りに来たのは、4000円で買ったというハンドジューサー。自宅で料理をほとんどしないという伊藤さんにとっては、必要ないと気づいたそうです。
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