井上貴博アナ「テレビはこんなに嫌われているんだ」と日々実感。それでもテレビを変えたいと挑戦を続ける理由
報道番組で司会を務めるTBSの井上貴博アナウンサーは世間から「テレビが嫌われている」と日々実感し、「変わらなきゃいけない」と危機感を募らせる。「誰も傷つけない言葉は、誰にも届かない言葉なのかもしれない」と迷いも語る井上アナに、これからの時代、テレビには何が必要なのか、どう変化していくべきなのか聞いた。(Yahoo!ニュース Voice)
テレビへの価値観をひっくり返したい
――平日は毎日テレビに出られていますが、視聴者からのテレビに対する反応はどのように感じていますか? 井上貴博: テレビカメラの前で話していて「わー、こんなに嫌われているんだ」と日々思うんですよね。同業の皆さんも同じようなことを感じていらっしゃると思いますが……。目の前にお客さんがいるわけではないのに「あ、お客さんがいますごく引いたな」っていう感覚があるんですよ。こっちの勝手な感覚なので間違っているかもしれないですけど。インターネット上の反応や会社に送られてくる声を見ても、やっぱり嫌われているんだと思います。 でも、もう一回「テレビメディア、捨てたもんじゃないな」「テレビって面白いね」というところに持っていきたいですね。私自身テレビ嫌いを公言しているのに何なんだと思われるかもしれないけど。テレビがいつまであるかわからないですけど、もう一回テレビへの価値観をひっくり返したいという気持ちは、ものすごく強くあります。 局アナという職業も人気がなくなりつつあって、入社試験に来てくれる人が本当に減っています。だけど、もう一度「なりたい職業ランキング」にランクインしたいっていうのも、自分の原動力になっています。 ――テレビが嫌われているという感覚は、入社当時とは異なりますか? 井上貴博: 違いますね。やっぱり年々、逆風が強くなっている感じがします。でも、今まで傲慢な進め方をしてきたのは我々なので、それも当たり前だと思うんです。そのツケが回ってきているというのも、もちろんわかるんですけど「ここまで厳しいのか……」とも思います。 厳しいからこそ“ひっくり返しがい”がありますけどね。最近は、なんとなく自分の人生自体をRPGだと思っているので、「こうやって厳しいダンジョンが続いた方がやりがいがあるな」とポジティブに捉えています。