「社会に発信してはじめて大人」芸能人ではタブーとされていた社会的メッセージを杉本彩が発信する理由
1987年に「東レ水着キャンペーンガール」としてデビュー後、歌手、女優、バラエティ番組など多方面で活躍する杉本彩さん。化粧品会社経営や動物愛護家としても知られ、2014年に動物環境・福祉協会Evaを設立し、理事長として動物愛護に関する情報を積極的に発信している。しかし、過去には社会問題を発信することに対して「芸能人は可愛く笑ってればいい」という風潮があったという。そんな杉本さんに、芸能人が社会活動をすることについて話を聞いた。(聞き手:荻上チキ/TBSラジオ/Yahoo!ニュース Voice)
政治も動物愛護も自分と関わりのないことは一つもない
――杉本さんは長年動物愛護の活動にたずさわっていますが、現在の活動内容を教えていただけますか? 杉本彩: 一番大きな成果としては動物愛護法改正に向けた後押しができたことですね。動物虐待の厳罰化を目指して、署名活動で26万筆以上の署名を集めたところ、その思いが届いて法改正され2020年6月に施行されました。「ちゃんと署名を集めたら法律って変わるんだ」ということを実感として持っているので、あきらめちゃいけないと思いましたね。あきらめた時点で一歩も進まないというか、世の中後退していくんだなとさえ感じているので「あきらめずに声を上げ続けていくことがいかに大切か」ということを身をもって経験しました。 ――現実的に保護犬・保護猫を飼ったり、預かりボランティアとして保護猫のお世話をしたりといったことはできないけど、自分にも何かできないかと思っている人はどういう関わり方ができるのでしょうか? 杉本彩: 信頼できる団体へ寄付することで支えていくこともできます。他にも、啓発のチラシを配っていただくというかたちでも大きな力につながっていきます。大切なことは無理のない範囲で冷静にサポートしていくことだと思います。 ――杉本さんのように積極的に社会活動をしていないと、身近な社会問題が政治や法律で解決できると思えないのかもしれません。そういった方々に関してはどう声をかけていきたいですか。 杉本彩: やはりどんな社会問題も自分のこととして考えてほしいですね。政治も動物愛護も自分と関わりのないことって何一つないから。食事も生活雑貨も、もちろん医療も動物実験の上に成り立っています。環境問題で動物が苦しんでいると、最終的に人間も苦しむことになります。実はすべて自分のことにつながっているということをもっと知っていただくことが大切だなと思うんです。